国の安全保障は、国民の信頼なしには成り立たない。その安全保障を担う防衛省・自衛隊で、信頼を損なう問題が発覚した。組織的な隠蔽(いんぺい)が疑われる深刻な事態だ。 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)で、陸上自衛隊の部隊の活動を記録した日報が、「廃棄した」とされてきた陸自の内部で、電子データとして保管されていたことが明らかになった。これまで防衛省は、再調査したところ、陸自ではなく、陸海空の自衛隊でつくる統合幕僚監部で電子データが見つかったとして、内容を一部公表していた。 こうした過去の説明とつじつまを合わせるため、陸自はデータが保管されていたことを公表せず、消去した可能性もあるという。さらに陸自の幹部が保管の事実を公表しようとしたところ、統合幕僚監部の「背広組」といわれる防衛官僚が非公表とするよう指示したとされる。 日報は、昨年7月に首都ジュバで大規模戦闘があった際の状況を伝えている。情報