新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が福岡県で最初に発生した新小文字病院(北九州市門司区)の甲斐秀信院長が西日本新聞のインタビューに応じた。外傷で入院してきた患者の感染を疑わず、職員19人が院内感染した事態にどう対応し、教訓をどう生かしているか聞いた。 -最初に感染が確認された患者への対応は。 「3月16日未明、後に新型コロナの陽性と判明する80代男性が救急車で運ばれてきました。自宅で転び頭と顔をけがしていたため、医師や看護師ら4人が傷口を縫うなど治療に当たりました。男性は発熱もせきもありませんでしたが、4人は医療用マスクにゴーグル、キャップ、ガウン、手袋姿。救急救命室(ER)では感染を防ぐため常にこうしたフル装備で対応します。4人はその後のPCR検査で陰性でした」 -スタッフの感染が急患対応時でないならば、いつどのように感染したのか。 「救急処置の後、男性が入院のため外科の病棟に