28年前の平成7年3月30日。日本の警察機構のトップ、國松孝次警察庁長官が何者かに狙撃された。これこそ、警察史上、最大の未解決事件ともいわれる“警察庁長官狙撃事件”である。 当時、このニュースを見たとき、戦慄が体を突き抜けた。ただ、それでも「次は警察か」と妙に冷静だったような記憶がある。 理由は、この年、日本国内で衝撃的な出来事が相次いだからだ。1月には阪神・淡路大震災が発生し、國松長官が狙撃される10日前には地下鉄サリン事件が起きた。どこか恐怖の感覚が麻痺していたのだろうか。 もうひとつ、当時22歳の自分には、重苦しい空気への耐性ができつつあったように思う。この時代に20代前半だった若者たちは、後に「ロスジェネ」と呼ばれることになる。バブル経済が崩壊した直後の就職氷河期に苦しみ、これからも“お先真っ暗”な未来しかないという諦観が当時の私にはあったのかもしれない。 犯人逮捕に全力を注ぐ警視
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