政府と日銀が24年ぶりに行った、円を買ってドルを売る為替介入について、財務省で為替政策の責任者だった渡辺博史元財務官は「日本でドルを刷ることはできない。兵糧に限界がある」とし、継続的な円買い介入は困難との見解を示した。また、今の円安の一因に「日本の国力低下」を挙げた。 1998年以来の円買い為替介入は22日に実施された。円相場は1ドル=145円台後半だったが、介入後、1時1ドル=140円台まで急騰した。ただ渡辺氏は「数円の円高。『円安進行を食い止めた』などと評価されれば政治的には意味がある」としたが、実質的な経済への好影響は小さいとみる。 円安の理由には日米の金融政策の違いによる両国の金利差が挙げられる。その点を、渡辺氏は「産業力などの低下で日本の実力は1ドル=120〜125円に落ちているとみられる。金利差のみを原因とするのは間違いだ」と指摘した。