最初に開発したキーボード。入力部分を凹にしたことで、確実にひとつの入力ができる工夫をしている 創業から2年ほどで最初の製品が完成します。脳性麻痺などで手に震えがある人でも、キーを2つ同時に押すことがないような、50音順にキーを配列するといった工夫を施したキーボードでした。 キーボードは15年以上にわたり主力製品として支持されるヒット商品となりますが、福祉事業だけで会社を継続していくことは難しかったようです。 「大企業もアシスティブ・テクノロジーの導入などに積極的でしたから、ビジネスパートナーとしての事業軸がひとつ。一般的なコンピューターシステムの開発、パソコン周辺機器の販売なども手がけており、当時は3つの事業を手がけていました」 「やりたいと思ったことは今すぐに着手すべき」 父親は家に仕事を持ち込まず、話もしないため、事業継承に関する話題は一切出なかったそうです。一方で、母親も大学で学び直