このところの、週末のちょっとした楽しみが、堺正章がゲストとおしゃべりしながら料理をつくるテレビ番組。名店の紹介とともに、職人の手さばき、料理のコツなどが紹介されるのが番組の柱になっている。ただ、ワタシが見入るのは、そこではない。 「未来の巨匠」というオマケのコーナーだ。取り上げられる三店中の一軒の、下ごしらえを担当するだけで、料理をまだまだ任せてもらえない、ただただキャベツの千切りをする若者の仕事振りを、カメラはじっくり映し出す。 剥いても剥いても、まだまだ剥かねば。ジャガイモなら大きなタライに山積みになった皮をひたすら剥き続ける。さっと湯通しした素材をきゅっとしめるため、凍り水に手をつっこむ。冷たいとか言っていられないし、そんな表情は顔にださない。しかも、作業が速いし、段取りもいい。手つきひとつに、おおー、プロだと関心する。このときばかりはワタシ、ちょっと心がひきしまったりする。 シェフ
走ることについて語るときに僕の語ること [著]村上春樹[掲載]2007年11月18日[評者]鴻巣友季子(翻訳家)■「文学の悪」に負けない作家の気迫 「我走る、ゆえに我あり」――百キロ走のウルトラマラソンではこんな没我の境地まで経験したランナー作家によるメモワールである。近年、ノーベル文学賞に最も近い日本人の一人と言われながら、寡黙を通す作家の、初の自伝作品としても貴重だ。 「どれぐらい自分の能力を確信し、どれぐらい疑えばいいのか」。走ることと書くことは著者の中で深く通底し、結ばれている。双方勝ち負けがないこと。pain(つらさ)をsuffering(災い)にしないことの大切さ。この“走る小説論”の中で印象的だったのは、“才に恵まれないことの恵み”についてだ。この大作家に才能がないわけがないと、厭味(いやみ)に感じるかもしれない。が、「優れたランナーではない」彼が、走りの力学を引き合いに出し
「日本文学、洗練された」 新刊刊行の丸谷才一さん語る 2007年01月09日17時06分 作家丸谷才一さん(81)の最新エッセイ集『双六で東海道』(文芸春秋)。題名の由来となった句「東海道のこらず梅になりにけり」を、「趣向があって、景気がよくて」とほめている。文学は読む人を元気づける祝祭のようなものという丸谷さんに、最近の文学的収穫などについて聞いた。 丸谷才一さん 文化功労者に昨年決まったとき、喜びとともに、「おれも年をとったな」と感じたという。だが、関心の幅の広さと博識、批評性はかわらない。その丸谷さんが、今の文学の動きで評価しているのは、モダンクラシックスの改訳だ。 若島正訳『ロリータ』、村上春樹訳『グレート・ギャツビー』などを、代表としてあげた。「日本人の小説の読み方や小説観が変わってきた」ことの現れだという。 「『ロリータ』は、僕の06年の収穫のひとつ。ていねいに訳されていて、文
産経新聞社のニュースサイト。政治、経済、国際、社会、スポーツ、エンタメ、災害情報などの速報記事と解説記事を掲載しています。
村上春樹氏の生原稿が古書市場に流出した問題に関連し、日本文芸家協会(黒井千次理事長)は、作家の生原稿や書簡の扱いについて古書店や出版社に声明などで注意喚起することを決めた。6月にも具体化するが、この問題を討議した同協会の理事会では、興味深い指摘があった。 同協会は、1971年、未公表の書簡などを無断公開することは、「著作者人格権の侵害であり、プライバシーの侵犯になる」との警告の要望書を古書店の組合などに送付。これを受け古書店の組合でも、現存する作家の生原稿、書簡の売買を禁じる通達を回したという。理事会では、「こうした通達が古書店の代替わりで顧みられなくなっている」として、新たな声明を出す方針では一致した。 課題としてあがったのは、本人の同意なく流出した可能性が高い現存作家の原稿と同様に、物故作家の原稿まで一律に規制すべきかどうかということ。 古書店主でもある作家の出久根達郎理事は、生原稿が
In the first of two extracts from this new story by Haruki Murakami, a Japanese woman visits Hawaii on a grim mission after her teenage son is killed by a shark. Then she finds herself drawn back to the site of his death Sachi lost her 19-year-old son to a big shark that attacked him when he was surfing in Hanalei Bay. Properly speaking, it was not the shark that killed him. Alone, far from shore
Haruki Murakami, Fiction, "A Shinagawa Monkey," The New Yorker, February 13, 2006, p. 150 Short story about a woman named Mizuki who forgets her name because a monkey has stolen it... Mizuki sometimes had trouble remembering her name. She’d been married a few years when her name started to slip away from her. One day she came across an ad for a counseling center offering private sessions at a redu
女性との関係を口実に中学生が男子大学生を恐喝し金を奪うなどの事件が相次いでいる。いわゆる美人局(つつもたせ)と呼ばれる古典的な手口だが、そこに見知らぬ人と簡単に出会えるSNSの特性が加わり、専門家は「被害者側の背徳感を逆手に取った犯行だ」と指摘する。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く