スペイン代表はユーロ(欧州選手権)2008で44年ぶりの優勝を飾り、至福の時を過ごしている。その一方で、矛盾するようにも思えるが、今大会最高齢のベテラン監督――功労者のルイス・アラゴネスはその座から退こうとしている。 RFEF(スペインサッカー協会)は指揮官の仕事ぶりを評価してきたが、大会前から契約は延長しないことをすでに本人に伝えていたと言われる。後任には、2009年のコンフェデレーションズカップ、続く10年のワールドカップ(W杯)を見据えて、元レアル・マドリー監督のビセンテ・デル・ボスケが就任することが既定路線となっていた。 監督交代は避けられそうもないが、2度目の欧州チャンピオンになったことで、スペインの歴史は新たなステージに突入した。最初に頂点に立ったのは1964年のこと。しかし、20世紀のフットボールと現在のそれでは、全く異なるスポーツと言っても過言ではない。それほど、近年の