ブックマーク / synodos.jp (48)

  • 演劇と社会のあいだ――街をハックする体験型プロジェクトの可能性/Port B主宰 高山明氏インタビュー - SYNODOS

    高山明さんが主宰するPort B(ポルト・ビー)は、演劇ユニットを名乗っている。しかし、劇場で上演されるタイプの作品はほとんどない。かといって、テントや野外劇場を建てるわけでもない。そもそも俳優がいない。 では、観客はどのようにして作品を鑑賞するか。たとえば、2013年にフェスティバル/トーキョー13で初演された「東京ヘテロトピア」では、チケットを購入した観客はまず、東京芸術劇場のロビーへ行き、ガイドブックと、小型のラジオを受け取るように指示される。ガイドブックには都内13カ所の地図とその場所にまつわる歴史、そして周波数が書かれている。観客は、1カ月の会期中の好きなときに、好きな順番で、それらの場所に行き、ラジオの周波数を合わせる。すると、朗読が聞こえてくる。たとえば、御茶ノ水の上海料理店「漢陽楼」の前でイヤホンを耳に突っ込んだ人は、こんな物語を聞いた。 「その料理をおいしく味わいつつ、S

    演劇と社会のあいだ――街をハックする体験型プロジェクトの可能性/Port B主宰 高山明氏インタビュー - SYNODOS
    pinza0604
    pinza0604 2014/12/26
  • なにものかへの別れのあいさつ――鳥公園「空白の色はなにいろか?」劇評/水牛健太郎 - SYNODOS

    常々思うが、演劇というのは、そんなに、面白いものではない。映画に比べて高い(東京だと2千円ぐらいから)のに、クオリティの保証はない。特に、私がよく見る小劇場演劇ときたら、そこらへんの人が、「やりたい」と思ったらすぐにでもできる。思いつくことを何でも目の前でやって見せる、それを数千円払って見るわけで、こんな危険な話はない。実際、中には脚から役者から、ずいぶんひどいのも、あるのである。 それじゃ、なんで小劇場演劇なんか見ているのかと言えば、正直に言えば、最初は、青春の匂いみたいなものに惹きつけられたのだ。家が貧乏で、大学時代は生活費稼ぎのバイト三昧。20代のころは新聞記者の仕事で忙しく働き、親の借金も返した。そんな私が30代半ばにもなって、ちょいと時間が出来たとき、心の隙間に演劇が入ってきた。ありていに言えば、若い連中が集まってやりたい放題やっているのが、うらやましかったわけだ。そのころは自

    なにものかへの別れのあいさつ――鳥公園「空白の色はなにいろか?」劇評/水牛健太郎 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/12/26
  • 「演劇とすれ違う」その先に――劇団ままごと「シアターゾウノハナ」/藤原ちから - SYNODOS

    「演劇とすれ違う」その先に――劇団ままごと「シアターゾウノハナ」 藤原ちから 編集者、批評家、フリーランサー 文化 #SYNODOS演劇事始#劇団ままごと#シアターゾウノハナ 横浜港の一角、赤レンガ倉庫の見える象の鼻パーク。道端に、「赤い丸に弓矢を打ってください」と書かれたパネルがある。通りすがった人がオモチャの弓矢でその的を射ると、周囲に潜んでいた俳優たちが突然現れて寸劇を始める……。 これは、劇団 ままごとによるTheater ZOU-NO-HANA(シアターゾウノハナ)の仕掛けのひとつで、「スイッチ演劇」と呼ばれている。 「演劇とすれ違う」をコンセプトに掲げるシアターゾウノハナは、こうしたスイッチ演劇や、フラッシュモブ的に始まるゾウノハナ体操、ツアーパフォーマンスなど、様々な仕掛けを施すことによって、象の鼻パーク一帯に「パフォーミング・パーク(演劇的公園空間)」を出現させようとしてい

    「演劇とすれ違う」その先に――劇団ままごと「シアターゾウノハナ」/藤原ちから - SYNODOS
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    pinza0604 2014/12/21
  • 自由と幸福のリベラルアーツ――「ソルジャー」ではなく「よき市民」を/斉藤淳(『10歳から身につく、問い、考え、表現する力』)×浅羽祐樹 - SYNODOS

    自由と幸福のリベラルアーツ――「ソルジャー」ではなく「よき市民」を 斉藤淳(『10歳から身につく、問い、考え、表現する力』)×浅羽祐樹 情報 #新刊インタビュー#リベラルアーツ#10歳から身につく、問い、考え、表現する力 7月に刊行されたJ PREP 斉藤塾代表の斉藤淳氏の『10歳から身につく、問い、考え、表現する力 ぼくがイェール大で学び、教えたいこと』(NHK出版新書)。一回限りの人生を後悔しないために、そして自由民主主義社会を支える「よき市民」となるために、いま必要とされる教育とはなにか? 比較政治学者・浅羽祐樹氏によるインタビューをお送りします。(構成/金子昂) 浅羽 って、読み返すたびにグサリとくるところが違いますよね。だから、同じを何度でも手にとるわけですけど、今回、この部分がキタんです。 「人間の知的『創造力』には大きな可能性がありますが、同時にひとりの人間がめぐらすこと

    自由と幸福のリベラルアーツ――「ソルジャー」ではなく「よき市民」を/斉藤淳(『10歳から身につく、問い、考え、表現する力』)×浅羽祐樹 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/12/12
  • 自己表現は人を<癒す>のか? ―― 「大変な社会」を生きるために/『生きていく絵 アートが人を<癒す>とき』著者・荒井裕樹さんインタビュー - SYNODOS

    自己表現は人を<癒す>のか? ―― 「大変な社会」を生きるために 『生きていく絵 アートが人を<癒す>とき』著者・荒井裕樹さんインタビュー 情報 #生きていく絵#新刊インタビュー#造形教室 人は自己表現しながら生きている。それでは、人は自己表現しなければ生きていけないのか? 自己表現は人にとってどれだけの意味があるのか。精神科病院・平川病院のなかで営まれている<造形教室>では、「心の病」を抱えたひとびとが、アートを通じた自己表現によって自らを<癒し>、自らを支えている。『生きていく絵』(亜紀書房)は、文学研究者の荒井裕樹氏が<造形教室>への取材を通じて考えた自己表現の意味や可能性を考えまとめただ。自己表現は人を〈癒す〉ことができるのか、そして社会にとってどんな意味があるのか、お話を伺った(聞き手・構成/金子昂) ―― 最初に、『生きていく絵』はどんななのかお話ください。 簡単に説明する

    自己表現は人を<癒す>のか? ―― 「大変な社会」を生きるために/『生きていく絵 アートが人を<癒す>とき』著者・荒井裕樹さんインタビュー - SYNODOS
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    pinza0604 2014/11/21
  • その傷のブルースを見せてくれ――写真家・齋藤陽道のまなざし/荒井裕樹×齋藤陽道 - SYNODOS

    今年3月にワタリウム美術館での3カ月半の写真展を終えた写真家・齋藤陽道さんは、あるときから自身の被写体募集ページにある「障害」や「マイノリティ」といった言葉に取り消し線を引いている――その真意とはいったい? 「マイノリティ-マジョリティ」ではない、「その人の傷にまつわるブルース」を見たいと語る齋藤さんのまなざしについて、「心の病」を抱えたひとびとの自己表現について思索した『生きていく絵』の著者・荒井裕樹さんと語り合っていただきました。今回は、荒井さんが手話を使えないため、齋藤さんには筆談で対談に応じてもらいました。(構成/金子昂) 荒井 ワタリウム美術館での個展(注:『宝箱――齋藤陽道写真展』2013年11月30日~2014年3月16日)、お疲れ様でした。大好評でしたね。それから日写真協会賞新人賞もおめでとうございます。あちこちで「注目の若手写真家」として紹介されていますね。個展の後、仕

    その傷のブルースを見せてくれ――写真家・齋藤陽道のまなざし/荒井裕樹×齋藤陽道 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/11/21
  • 「もうひとつの沖縄戦後史」最終回――洞窟の生と死/岸政彦 - SYNODOS

    電子マガジン「αシノドス」にて10回にわたり連載していた「もうひとつの沖縄戦後史」が、最終回を迎えた。貧困、スラム、売春、犯罪……。1960年前後の「沖縄タイムス」の記事から、戦後沖縄の知られざる側面を鋭く切り取る。α-Synodos vol.160より最終回を転載。 *  *  * これまで、1960年前後の『沖縄タイムス』の記事を大量に引用・再構成し、リゾートや伝統文化や基地問題だけではない沖縄、貧困と暴力の沖縄、犯罪と売春の沖縄、スラムと経済成長の沖縄について描いてきた。この連載も今回でいちおうの最終回である。初回からここまでの話をざっとふりかえってみよう。 まず第1回めでは、同棲相手の女性を殺してその乳房を切り取ったという凄惨な事件を取り上げ、その背景にある戦後の沖縄社会の特質を描いた。 もうひとつの沖縄戦後史──「オッパイ殺人事件」と経済成長 この回では、たったひとつの事件の記事

    「もうひとつの沖縄戦後史」最終回――洞窟の生と死/岸政彦 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/11/19
    那覇ジュンク堂ちかく、美栄橋駅のしたには或るお婆さんホームレスが居を構えている。お婆さんの三つ編みに結われた髪はガチガチに固まってフランスパンみたいだった。波の上にはいまも社会の周縁にいる人がちらほら
  • もうひとつの沖縄戦後史──「オッパイ殺人事件」と経済成長/岸政彦 - SYNODOS

    電子マガジン「α-synodos」新連載! 貧困、スラム、売春、犯罪……。1960年前後の「沖縄タイムス」の記事から、戦後沖縄の知られざる側面を鋭く切り取る。 *  *  * 沖縄戦が終わってから13年、復帰まであと14年。1958年は、「戦後沖縄」のちょうど折り返しの時期だった。 那覇のすぐ隣にあり、いまでは閑静なベッドタウンとなっている浦添市。1958年、この街で凄惨な事件が起こった。 ある日、浦添市沢岻付近の幹線道路で、走行中のトラックに飛び込んだAという29歳の青年がいた。Aは一命を取りとめたが、「可愛いやつを殺した、俺もこの車で轢き殺してくれ」とわめいていたという。 そのすこし前。Aは、近所に住む遠縁の自宅を訪れ、同じことを話していた。「一番可愛いやつを殺した。君や親戚を皆殺しにして、俺も死ぬ」そう叫んでいた。そして、Aは、ズボンのポケットから、切り取ったばかりの血まみれの片方の

    もうひとつの沖縄戦後史──「オッパイ殺人事件」と経済成長/岸政彦 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/10/21
  • 香港デモは、中国民主化の希望となるのか/麻生晴一郎 - SYNODOS

    9月27日から今も続く香港のデモは、解決の糸口が見つからず、混迷状態が続いている。 香港警察は、デモが市民生活に悪影響を及ぼし、市民からも不満が上がっていることを名目に、10月13日からバリケードの撤去など実力行使に出た。確かにデモに参加する人の数は激減し、デモへの不満を耳にする機会も増えた。しかし、デモ隊を排除しただけで、一連の騒ぎが収まるとは思えない。もし香港警察が再び催涙ガスを用いるなどの強硬手段に出れば、再度、大規模なデモに発展する可能性がある。それだけ香港政府のバックに立つ中国政府に対する香港市民の反感は根強いと感じる。 今回のデモは、時期によってその性質がやや異なる。最も大規模なデモに発展し、内外の注目度がとりわけ高かった9月28日~10月2日の期間の参加者と、その前後にあたる、9月22日の学生による授業ボイコットからセントラル占拠にいたる初期の活動、そして膠着状態に陥った10

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    pinza0604 2014/10/21
  • 中国化する日本 ―― 政治・経済・文明観のアーキタイプ/與那覇潤 × 飯田泰之 - SYNODOS

    飯田 與那覇さんの新著『中国化する日』は各方面で話題騒然となっていますね。ご自身で注意書きを加えられていますが、「中国化」という言葉には、今の情勢では全日人が「ドキッ」としてしまう。 與那覇 事前の予想通り、「中国の国家資主義」とか「南シナ海政策」といった、経済学または地政学的な話だと思って手に取られた方も多かったんじゃないでしょうか。しかし、書の「中国」が指すモデルは「宋」のことなんですよね。1000年前からの時間の幅のなかで、日中両国の現在を見てみようという発想になっています。宋朝のしくみを目指すのが「中国化」、それと180度逆の日独自路線でいくのが「江戸時代化」という、二つの軸で歴史を書いてみようと。 飯田 中国では宋、日では江戸時代が国と社会の形の原型になっているというのは、非常にわかる感覚です。たとえば、どの国でも大衆向け歴史物の時代設定となる時期はだいたい決まってき

    中国化する日本 ―― 政治・経済・文明観のアーキタイプ/與那覇潤 × 飯田泰之 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/10/21
  • 「アラブの春」は今どうなっているのか?――「自由の創設」の道のりを辿る/池内恵 - SYNODOS

    「アラブの春」は今どうなっているのか?――「自由の創設」の道のりを辿る 池内恵 イスラーム政治思想史、中東地域研究 国際 #シリア#イエメン#アラブの春#エジプト#リビア#ハンナ・アーレント#多数決型#コンセンサス型 「アラブの春」と呼ばれた、チュニジアとエジプトに始まる、アラブ世界の社会・政治変動が生じてから3年が経とうとしている。リビア、イエメン、シリアと急速に連鎖し、一時はバーレーンを通じて湾岸産油国に及ぼうかと見えた変革の波は弱まり、むしろ逆行しているようにさえ見えるかもしれない。今年7月3日のエジプトのクーデタでは、民衆のデモが、選挙で選ばれた政権の軍人による排除を歓呼して迎えた。シリアでは社会からの異議申し立ては政権による過酷・苛烈な弾圧を招き、国土を焦土化する内戦の淵に沈みこんだ。リビアではカダフィ政権打倒に立ち上がった各地の民兵が、政権崩壊後も武装解除を拒み、国土を割拠した

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    pinza0604 2014/10/21
  • 「社会を変える」ということ /駒崎弘樹(フローレンス)×湯浅誠(もやい) - SYNODOS

    社会起業家として病児保育の問題解決に取り組む、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏。一方、社会活動家として貧困問題をはじめ、2012年7月に大阪で立ち上げた「AIBO(あいぼう)」等で市民活動の仕掛人として活躍する湯浅誠氏。それぞれの立場から見た「社会を変えるための方法」とは何か。(司会/荻上チキ、構成/宮崎直子) オルタナティブを提示する 荻上 最近若手世代を中心にして、民間の力で世の中を変えていこうという動きが広まってきています。それはもちろん、「民間の力だけで変える」という意味ではありません。自分たちでできることをまずはやり、必要に応じて自治体や国に要望する、そうしたアプローチの活動が重視されているということですね。 しかし、実際に国を動かそうとすると、具体的に様々な壁が現れたりするもの。民間で研究や活動を行った上で、「次の一歩」を踏み出す時には、それ相応の「戦い方」を身につけ

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    pinza0604 2014/10/14
  • 3人の母と息子たち――サンプル「ファーム」劇評/水牛健太郎 - SYNODOS

    小劇場演劇の中の「母」が気になりだしたのはいつからだろう。 演劇は目の前に人間の身体があるというのが他ジャンルにない特徴だ。だから、魅力的な俳優を見るのが楽しみの一つである。時には2メートルといった至近距離から、彼ら彼女らをどんなにじろじろ見ても怒られない。 俳優たちはもちろん役を演じているが、じっと彼女ら彼らの身体を見ていると、いろんなものが役をはみ出てくる。彼らが演じる「お話」にしてもそうで、表面上のお話の下には別の、様々なお話が隠されており、彼らの身体を通してそれが泡のように浮かび上がってくる。 数年前から、その何重にもなった「お話」の中心に、かなりの割合で「母」がいることに、否応なく気づかされるようになった。ことに男性作家の書いた、家族劇の要素がわずかでもある作品は、ほぼ全部そうだと言ってよい。それは母親という役割の人であったり、他の人物が担う母性であったりする。中には母親という役

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    pinza0604 2014/10/10
  • 生命はゴロゴロいるのか、いるとしてもマレな存在なのか――宇宙から生命の起源を考える/アストロバイオロジー・小林憲正氏インタビュー - SYNODOS

    生命はゴロゴロいるのか、いるとしてもマレな存在なのか――宇宙から生命の起源を考える アストロバイオロジー・小林憲正氏インタビュー 情報 #アストロバイオロジー#教養入門#地球生物学 宇宙には生命がいるの? 生命ってどうやってできたの? そんな疑問をもったことが誰にでもあるでしょう。今回の「高校生のための教養入門」は、宇宙から生命の起源を考える、「アストロバイオロジー」についてお話を伺いました。(聞き手・構成/山菜々子) ―― 小林先生のご専門はなんですか。 生命の起源を中心としたアストロバイオロジーです。大学では、理工学部の化学生命系学科で分析化学の分野を担当しています。 ―― アストロバイオロジーというのは、どのような学問なのでしょうか。直訳すると「宇宙生命学」ですよね。宇宙生命を探す学問なのですか? 「アストロバイオロジー」は1998年にできた新しい言葉です。NASAがつくった造語で

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    pinza0604 2014/10/09
  • 演じることにはすでに批評行為が含まれている/舞台芸術家・鈴木忠志氏インタビュー - SYNODOS

    1960年代、「早稲田小劇場」で日の演劇の潮流を変え、1976年に富山県利賀村に移ってからは、世界とダイレクトに結び合いながら活動してきた鈴木忠志氏。今夏に開催された第1回利賀アジア芸術祭には、国内のみならず世界各国から観客が訪れた。『シラノ・ド・ベルジュラック』のクライマックスで、夜の野外劇場を花火が彩る。『からたち日記由来』では、語りの力が、合掌造りの劇場につめかけた観客を異世界へと連れていく。はじめて訪れる者にとっては、こんな山深い村にこんな空間が?!と驚くような体験だ。幻想的な夜が明け、静けさを取り戻した利賀村で、「演劇と力」をめぐって話を聞いた。(聞き手・構成/島﨑今日子) ―― 利賀村に来たのははじめてです。合掌造りの劇場も見られたし、来てよかったです。 今年の利賀アジア芸術祭には、18カ国から150人が参加したんです。俺の訓練(スズキ・トレーニング・メソッド、独自の俳優訓練

    演じることにはすでに批評行為が含まれている/舞台芸術家・鈴木忠志氏インタビュー - SYNODOS
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    pinza0604 2014/10/08
  • 「流動的人間関係vs固定的人間関係」と責任概念/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS

    前回は、責任概念には「自己決定の裏の責任」と「集団のメンバーとしての責任」の二種類があるというお話をしました。 前者は自分で決めたことの結果は、他人に及ぼさずに自分で引き受けることで、典型的な責任の取り方は補償です。後者は自分で決めたかどうかにはかかわらず、集団の中で決められた役割を果たすことで、典型的な責任の取り方は「詰め腹を切る」ことです。 どちらが主にとられるべきかは、その行為がなされる社会システムのあり方によって決まってくるのですが、それがい違うとおかしなことになるということでした。 前回のお話でも、「自己決定の裏の責任」は人間関係が流動的な社会システムにマッチして、「集団のメンバーとしての責任」は人間関係が固定的な社会システムにマッチするということに触れましたが、今回は、どうしてこのような対応関係が成り立つのか、そもそもどうして社会システムがこのように二種類の人間関係のものに分

    「流動的人間関係vs固定的人間関係」と責任概念/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/09/24
  • 地方からの教育イノベーション/浅羽祐樹×斉藤淳×飯田泰之 - SYNODOS

    山口県立大学国際文化学部准教授・浅羽祐樹氏、J Institute代表・斉藤淳氏、明治大学政治経済学部准教授・飯田泰之氏によるトークイベント「朝日新聞・WEBRONZA×Synodos主催 地方からの教育イノベーション」。いま地方の教育はどうなっているのか、地方にいながらして教育者はなにができるのか、これから教育はどのように変わるべきなのかなどなどなど、誰もが一家言もつ「教育」をテーマに、縦横無尽に語り合った。(構成/金子昂) 飯田 日は朝日新聞・WEBRONZA×Synodos主催「地方からの教育イノベーション」トークイベントにお越しいただきありがとうございます。今日は、日における教育の現状など幅広く「教育」をテーマに、浅羽祐樹さん、斉藤淳さんとお話したいと思います。 さて、教育社会学がご専門の舞田敏彦さんによると、日全国の各都道府県で、東大・京大に進学する生徒の割合は、奈良県では

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    pinza0604 2014/09/23
  • 東京オリンピックの前に、都市社会政策と貧困を考える――フランス、アメリカ、大阪から/川野英二 - SYNODOS

    で「貧困」という言葉が死語に等しかったのは、ほんの数年前までのことだ。そして現在「貧困」という言葉は、必ずしもかつて――つまり、誰もが「貧困」を社会問題と認識していた高度成長期以前――と同じ事態を指すわけではない。 現在「貧困」という言葉は、「社会的排除」とほとんど同義に使われており、その内実は大きく異なっている。もっとも、そのような言葉の変遷とは関係なく貧困がつねに存在していたのはたしかだ。しかしその貧困はなかなか目に見えず、社会問題としても周縁的とみなされ、今日ほど注目されてはいなかった。 海外、とくに欧米では、すでに1980年代から、「新しい貧困」や「社会的排除」という言葉はそれまでの貧困とは異なるものとして注目されてきた。欧州では「排除された者たち」、北米では「アンダークラス」といった言葉が、それぞれニュアンスの違いはありながらも、新しい貧困を指し示す言葉として注目され、また熱

    東京オリンピックの前に、都市社会政策と貧困を考える――フランス、アメリカ、大阪から/川野英二 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/09/06
  • 医療観察法という社会防衛体制/浅野詠子 - SYNODOS

    忘れられた病棟がある。 この病棟には、たとえばこんな人々が強制的に送られてくる。精神の疾患が悪化して行動のコントロールが難しいまま傷害致死などの事件におよび、不起訴や無罪になった人たち。そう、忘れられた病棟とは、刑事責任能力が問われない触法精神障害者が送られる特別病棟のことだ。国内30カ所の公立病院のなかに整備され、病床数は800床ほどだ。34万床といわれる特異な日の精神病院事情にあって、その数だけを見れば小さい。 専用病棟の存在は、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を起こした者の医療と観察に関する法律」、略して「医療観察法」と呼ばれる法が土台となっている。入院期限に上限はない。患者の平均在院日数は長期化し、2年半になろうとしている。退院後も、法務省の保護観察所の監督下で、原則3年、最長5年間の通院義務が科せられる。従来の措置入院制度に加え、治療の継続と収容が強化された。 この社会を犯罪

    医療観察法という社会防衛体制/浅野詠子 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/09/05
  • 「異質性の祭典」としてのオリンピック――共生社会とナショナリズム論の動向/早川誠 - SYNODOS

    音楽は国境を越える、と私たちはしばしば語る。たとえ言葉が通じなくても、美しいメロディーや心を弾ませるリズムを楽しむのは万国共通である、と。スポーツについても同じように言えるかもしれない。汗を流して楽しく過ごす時間は、人を選ばない。ともに競い合った経験は人と人との間をつなぎ、言語や民族の壁を乗り越えさせる。私たちはそのように感じ、考える。 オリンピックが平和の祭典と呼ばれるのも、こうしたスポーツの越境の力と無縁ではないだろう。古代ギリシアではオリンピック開催のためにポリス間で休戦協定が結ばれたが、それはスポーツの力の発現というよりも、ゼウスに捧げられる宗教行事でもあったオリンピックを実現させるためという実践的意味合いが強かったようだ(師尾晶子「休戦を運ぶ使節たち」『古代オリンピック』岩波新書)。 一方で、近代オリンピックにおいてはスポーツ自体の効果がより強く期待されるようになった。近代五輪の

    「異質性の祭典」としてのオリンピック――共生社会とナショナリズム論の動向/早川誠 - SYNODOS
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    pinza0604 2014/09/05