パンの消費が旺盛だ。1世帯あたりのパンに対する支出額は、2011年に米を抜いて伸びているうえ(『家計調査』<総務省統計局>)、ここ数年は高級食パンが牽引し、空前のパンブームとなった。一方、こうした裏側では、同業間の競争激化により売上不振に陥る業者も少なくない。加えて、薄利多売のビジネスかつ原材料・人件費の高騰や廃棄ロスで採算が悪化。特に家族経営の業者は、後継者問題や店主の病気・体調不良、重労働などによる人手不足も重なり、懸念材料を内包している。 帝国データバンクは、「パン製造小売」を主業としている事業者の2010年~2019年の倒産(負債1000万円以上の法的整理)について分析した。 2019年の倒産件数は31件で、前年比2.1倍となり過去最多を更新した。2011年以降は10件台で推移していたものの、2年ぶりに前年を上回り、初めて30件を突破した。 負債総額は18億200万円となり、同じく