■はじめに 少し前、ネット上の書き込みで若い女の子が「祖父が亡くなって戒名をつけてもらっただけで30万も取られた!」と激怒しているところを見かけた。いやいや、それは寺院にとっての収入なのだからそこは仕方がないよと説明したくなったが、激怒していて話にならないし、そもそも仏教寺院の経営なんかには興味がないだろうから放置しておいた。このままあの人は怒り続けるのだろうか。 だが戒名について私自身が説明できるのか?と言われると、なんとも言いがたい。そこで調べてみることにしたのがこのブログである。 戒名について調べて行くうちに、私の興味は『差別戒名』と呼ばれるものに移って行った。「差別戒名」は大まかに二つに分けられるのだが、一つは「被差別部落民につけられた戒名」、もう一つは「遊廓で亡くなった遊女たちにつけられた戒名」のことである。これらの戒名には差別的な意図があり、あえてそのような戒名をつけることがか