「旧統一教会の政策が不当に自民党の政策に影響を与えたとは認識はしておりません」。岸田文雄・首相は内閣改造後の記者会見で自民党政権と旧統一教会の関係についてそう強調した。 だが、「安倍一強」「清和会(安倍派)支配」と言われた政治体制のなかで、官僚たちが総理の意向を忖度し、モリ・カケ疑惑や桜を見る会問題では安倍元首相を守るために公文書を改竄、国会で虚偽答弁を重ねるなど日本の行政が大きく歪められたのは間違いない。元文部官僚の寺脇研・京都芸術大学教授が「清和会の支配」の弊害をこう語る。 「清和会支配の特質は安倍政権で顕著だった強権的な政治手法です。官僚を支配し、与党である自民党の反対派を黙らせ、国会では野党の言い分を軽視して数の力で押し切り、モリ・カケ問題に象徴されるように都合の悪いことは質問にまともに答えない。これが最大の弊害でしょう。 かつての田中派や竹下派もいまの清和会のように最大派閥として