文:加賀直樹 かがくいひろし教師、絵本作家 1955年生まれ。本名・加岳井広。東京学芸大学教育学部卒業。特別支援学校の教師として、長年ハンディキャップのある子どもたちのサポートに従事する。2005年、『おもちのきもち』(講談社)で「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し絵本作家デビュー。以来、立て続けに絵本を発表し、一躍、人気作家になる。09年、膵臓(すいぞう)がんのため、54歳で急逝。わずか4年の間に、16冊もの絵本を遺した。写真はブロンズ新社提供。 「あの時、絵本編集者たちが皆、驚いて、かがくいさんのもとに殺到したんです。『これは凄い人が出てきた』って。2005年、彼が50歳で新人賞を受賞した時のことでした」 絵本などを手がける出版社・ブロンズ新社の沖本敦子さんは当時をそう振り返る。かがくいの千葉県松戸市の自宅に駆けつけた沖本さんを前に、彼は無印良品の茶色い再生紙ノートを差し出した。それは
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