「日本語に訳せば、日本の読者と日本の外交にもきっと役立つだろうと思い、ドイツ=ヨーロッパとアメリカについて述べた長いインタビューを送ります。末尾で日本についても言及しています」 このメールをエマニュエル・トッド氏から編集部が受け取ったのは、二〇一四年九月のこと。本書収録の「1 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る」がその翻訳である。これに加え、フランスの新聞・雑誌・インターネットサイトに掲載されたロシア、ウクライナ、ユーロなどをテーマにしたトッド氏のインタビュー記事を収録したのが本書である。 最も重要な主題はドイツだが、「日本の読者にきっと役立つ」とトッド氏自身が述べているように、「『ドイツというシステム』は驚異的なエネルギーを生み出し得るのだということを認める必要がある。歴史家として、また人類学者として、私は同じことを日本についても、(略)言うことができる」(三〇頁)などと、随所に直接、日本へ
![「欧州におけるドイツ」は、「アジアにおける中国」か? 『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』 (エマニュエル・トッド 著/堀茂樹 訳) | 書評 - 文藝春秋BOOKS](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a9151373af8a80229528ea5d12d0b879325f1c62/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbooks.bunshun.jp%2Fmwimgs%2Fa%2F0%2F-%2Fimg_a09e2540ffbeb7006d55d70eaa3e37c0470474.jpg)