保守的なイスラム社会のサウジアラビアで、禁止されている車の運転を強行した女性に裁判所が言い渡したむち打ち10回の判決について、アブドラ国王が撤回を命じたことが28日、明らかになった。 サウジの富豪ワリード・ビンタラール王子の妻で女性の運転解禁論者でもあるアミーラ・タウィール王女が短文投稿サイト「ツイッター」で明らかにした。 サウジでは中東各地での民主化運動「アラブの春」の影響で、権利拡充を求める女性のデモが発生。国王は25日の演説で、4年後の自治評議会(地方議会)選での女性参政権付与など、女性の権利向上を表明したばかりだった。 国王が撤回を命じた理由は明らかにされていないが、判決が権利向上の方針に反すると判断したとみられる。米誌フォーブス(電子版)によると、王子自身も国王に撤回を働き掛けたという。 王女によると、被告は「この不当な判決が出てから抱いていた恐怖を国王の命令が消し去ってくれた」