護身用の催涙スプレーを隠し持っていたとして、軽犯罪法違反罪に問われた東京都中野区の会社員男性(28)について、最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は26日、1、2審の有罪判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。 男性の無罪が確定する。 男性は2007年8月26日未明、東京都新宿区の路上を自転車で走行中に警察官の職務質問を受け、ズボンのポケットに入れていた催涙スプレーを差し出した。軽犯罪法は、正当な理由がないのに人体に重大な危害を及ぼすような器具を隠し持つことを禁じており、男性は1審・東京簡裁判決、2審・東京高裁判決で科料9000円を科された。 2審判決は「業務上の理由などがなく、単に護身のためだけでは携帯は正当化されない」としたが、同小法廷は、「被告は健康上の理由からサイクリングを行い、催涙スプレーは防御用だったので、正当な理由がある」との判断を示した。