1960~70年代にかけて流行した科学玩具「地球ゴマ」を製造してきた名古屋市の「タイガー商会」が、4月末をメドに94年の歴史に幕を下ろす。 職人の減少や高齢化が原因で、昭和を代表する玩具の存続に向け、事業継続を求める動きも出ている。 同社は21年創業。時計職人だった当時の社長が地球の公転や自転を説明できる玩具として地球ゴマを開発し、販売を始めた。外部の力が加わらなければ一定の向きで回転を続ける「ジャイロ効果」を利用し、ペン先で回したり、ひもの上で綱渡りさせたりできる。工場長の巣山重雄さん(85)は「これだけ多彩に遊べるコマは地球ゴマ以外にはありません」と胸を張る。 60年代のテレビCMで人気が爆発し、70年代にかけては年間20万~30万個を製造。しかし、一時は20人ほどいた職人はここ10年で3人に減少し、製造数は最盛期の10分の1に。今も教育現場などで一定の需要はあるものの、今春を区切りと