≪官僚追随で政治判断なし≫ 麻生政権が財政出動の真水(実際の財政支出)で15・4兆円という史上最大の景気対策を打ち出した。事業費全体では56・8兆円になるという。効果の定かでない景気刺激策をかき集めて、かくも巨大な財政赤字を積み重ねるというのは一種のバクチのようなものだ。GDP(国内総生産)比で150%を突破した長期債務残高には恐怖心さえ感じる。だから何もするなということではない。 かくも借金が累積したのは、過去の景気刺激策の効果が低かったことを証明している。日本の景気刺激策といえば、官僚が各省、各局から対策を積み上げてきてホチキスでとめるやり方だ。国策を見据えて不要な役所をとり潰(つぶ)す、新しい制度を導入するといった国策遂行のための政治判断が欠けているのだ。 日本の国策のうち最重要なものの一つは少子化対策だろう。日本の出生率は2007年には1・34だった。しかし、人口を維持するには2・