2018年12月に東大駒場Ⅰキャンパスで開催されたブックトークイベント。白熱した議論が繰り広げられた一方で、参加者からは不可解な発言の指摘や、「もっとこんな話が聞きたかった」という声も多く聞かれた。ネット上でも議論の展開に批判の声が多く上がる中、イベント開催から1カ月以上たった19年1月29日、主催者の林香里教授(情報学環)は自身の研究室のウェブページにて、「当初の企画から外れた発言に多くの時間を割いてしまいました」と反省を表明。林教授に、ブックトーク開催の背景や本来話したかった内容について改めて話を聞いた。 (取材・高橋祐貴 撮影・石井達也) 物議を醸したブックトーク 開催の背景は ──そもそもどういう経緯でブックトークが開催されることになったのでしょうか 元々私も『彼女は頭が悪いから』(以下、本書)という本を知っていて、東大が舞台でなおかつ性暴力がテーマの小説ということで注目していまし