「またアホみたいな事を…」 俺はリリの言った事に頭を抱える。 「な、なんでですか!? いいじゃないですか、必殺技!」 「いや、そこを否定する気はないんだけどな」 確かに俺も必殺技というものには憧れていた。 社畜時代は出来なかったが、ゲーム自体は好きだったし。 けど、実際に必殺技を持てるかと言われると現実はそうもいかないだろう。 アニメとかで見る感じで技名なんて叫んでる暇ないだろうし。 「ううぅ…。も、モームさんはどうですか!?」 「そうですな。私としてもリリ殿の心意気はとても良いと思います」 「ほうら見たことですか!? やっぱりカナタはまだまだ甘ちゃんですね」 「調子に乗るな!」 「痛いっ!」 俺はリリの頭を殴る。 しかし、俺も一緒に変な声を出した割にリリの考えにモームさんが賛同したのは意外だ。 「しかしまた、カナタ殿の言う事にも一理あります」 「ほらな」 「ううぅ〜…、何でですかぁ〜…?