<要旨> ●裁量労働制のもとで働く労働者の方が一般の労働者よりも平均で比べれば労働時間が短い「かのような」データに安倍首相と加藤大臣は国会答弁で言及したが、そのデータは、検証に耐えられない問題だらけのものだった。 ●2月9日の衆議院予算委員会で山井和則議員はこの問題を取り上げ、1月29日の安倍首相の答弁の撤回を求めている。 ●「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均な、平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」という安倍首相の答弁は、4つの点において問題がある。 ●第1に、これは調査結果ではない。一般労働者のデータは、調査結果であるとされる未公表のデータを使い、かつ不適切な計算式による加工も施した上で算出されたデータであり、実態ともかけ離れた過大な数値となっている。 ●第2に、この調査のデータは、定義された「平均的な者」のデータであるが、安