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ブックマーク / call-of-history.com (7)

  • 「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」

    メキシコの麻薬組織のニュースは日でも盛んに報じられるようになった。大半は政治家や地元警察の幹部が殺されたとか、死体をバラバラに切り刻まれたとか生首が晒されたといった残酷極まるもので、相次ぐ目を覆いたくなるニュースに、メキシコで今何が起きているのかと驚かされる。 書は、近年激化の一途をたどるメキシコの麻薬組織抗争と政府の衝突について、著者が現地で当事者たちから丁寧な取材を行い、その全体像を明らかにした一冊である。第一部(第二章~第七章)では麻薬組織台頭の歴史が、第二部(第八章~第十二章)では麻薬取引の様子から生活、文化、信仰、殺し屋たちなどマフィアの実像が、第三部(第十三章~第十六章)では、現在の拡大するメキシコの麻薬組織の影響力、政府と組織、組織間の対立の構図、グローバル化するネットワーク、そして今後の展望について、400ページ以上、充実のボリュームで描かれている。 書の第一部約15

    「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」
    popoi
    popoi 2016/01/05
    あの辺は、左派が合法的に選挙で政権を勝ち取れば、#アメリカ が陰謀でクーデター起こさせたり軍事的に直接潰しにきたりする。貧困層の尋常な受け皿が存在し得ない。当然歪む。#メキシコ #犯罪
  • 「薩摩島津氏の琉球侵攻」(1609年)まとめ

    1609年三月、島津軍が琉球王国に侵攻し奄美大島、徳之島、沖永良部島、そして沖縄島と次々攻略。琉球王国軍の抵抗むなしく、四月四日、首里城が陥落、尚寧王は降伏し、独立国家琉球王国は、引き続き中国からの冊封体制下にありつつ、徳川幕藩体制の中に組み込まれる両属体制時代に入ることとなった。「薩摩島津氏の琉球侵攻あるいは琉球出兵」として知られるこの事件について、簡単にまとめ。 主に上里隆史著「琉日戦争一六〇九 島津氏の琉球侵攻」に従いつつ、記事末に挙げた琉球史関連の書籍・論文を参照。年号表記は和暦、中国暦、西暦を併記すべきところだが、冗長になるので一律西暦表記している。(参考、日:慶長十四年=明・琉球:万暦三十七年=西暦1609年) 徳川政権の事情秀吉死後、実権を握った徳川家康にとって最大の懸案が秀吉による朝鮮出兵の戦後処理だった。1599年の倭寇禁止令で東シナ海の治安回復に取り組む姿勢をアピー

    「薩摩島津氏の琉球侵攻」(1609年)まとめ
    popoi
    popoi 2015/11/12
    関ヶ原後の島津は長宗我部に比べれば優遇された印象が有ったが、相応の逆境だったか。それが島津による被支配者への圧政に繋がる。ひいては明治維新と、帝政日本と其の「オイコラ」へと? #沖縄
  • アニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」感想

    アニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」最終話まで観ました。艦娘たちが動いて喋っているだけでも嬉しいので次々出てくる娘たちの一挙手一投足にニヤニヤしつつも、各話の展開にちぐはぐな印象は拭えず、楽しい気持ちと苦笑との間を忙しく行き来しながらの視聴になりました。 吹雪さんと睦月夕立のメイン三人を始めみんな可愛くて上々ね、って感じでしたが特に陸奥、利根、川内、夕張、瑞鶴、金剛と第六駆逐隊あたりは非常に良かった。むっちゃん最高に美味しいポジションだし、利根ねーさんまじ利根ねーさんで三話最後の色々思いやる複雑な表情は最高だし、川内さんもただの夜戦バカではなく頼れる先輩で惚れ惚れしたし、夕張も貧乏クジ引いたけどなんだかんだ魅力的に描かれているし、瑞鶴は七話の翔鶴姉とのやりとりでの加賀さんへのデレが珠玉、かわいすぎる、また金剛ちゃんはこんなに母性溢れるキャラに描かれていてああ素晴らしい。あ、大淀さんは出撃

    アニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」感想
  • 箸食誕生の歴史

    箸の誕生箸は黄河流域で誕生した。現在見つかっている最古の箸は河南省安陽県の殷墟(紀元前十八世紀~紀元前十一世紀)から出土した銅製の箸だが、当時は手であったことは明らかであることから、事用ではなくべ物を取り分ける、あるいは祭祀用のものだと考えられている。 おそらく黄河流域では、『獣肉や野菜を包丁と俎でべやすい大きさに料理してべていた。べるときに、フォークや匙でなくて、手の感覚を延長して、汁の実などを挟みあげたくなったのであろう。熱いべ物を取り出すのに、指先に代わる竹ぎれか木ぎれを使ったのが、箸の始まりといわれる。一の棒ではべ物を固定できないので、二でそれをしっかり挟み上げるようにしたのである。』(向井、橋「箸 ものと人間の文化史102」) これが直接箸を使ってべ物を口に運ぶようにはならなかった。箸は、事を取り分けたり、調理する際に箸を使って固定したりする用途に使

  • 「革命前夜の地下出版」ロバート・ダーントン 著

    フランス革命前夜、十八世紀のフランスにおいて禁書、海賊版を流通させる地下出版の国際的なネットワークがあった。誹謗中傷、反権力、ゴシップ、性的・政治的ポルノ・・・およそ低俗とされる様々な出版物が、スイスなどフランス国外で印刷され、密輸業者によってフランスに運び込まれ広く行き渡る。その著者となったのが啓蒙思想家に憧れながら、啓蒙思想家になれず、階級社会の底辺でうごめく三文文士たち、いわゆる「どぶ川のルソー」たちで、い詰めた彼らの活動が、やがて革命を準備していく。 書は「の大虐殺」で名高い歴史家ロバート・ダーントンが幅広く史料を渉猟して1982年に書き上げたフランス革命研究の基書の一つで、後にアナール学派を代表する歴史家ロジェ・シャルチエとの論争でも話題になった。しかし残念ながら絶版。 (2015年10月に岩波人文書セレクションから再販されました) ヴォルテール、ディドロ、ダランベール、

    「革命前夜の地下出版」ロバート・ダーントン 著
  • 「フランス的思考―野生の思考者たちの系譜」石井 洋二郎 著

    近代フランスを特徴づける、デカルト以来の合理主義、フランス語の優位性への確信から広がった普遍主義という二大潮流に対する反合理主義・反普遍主義あるいは非合理主義・非普遍主義的な思想の系譜を、マルキ・ド・サド、シャルル・フーリエ、アルチュール・ランボー、アンドレ・ブルトン、ジョルジェ・バタイユ、ロラン・バルトの六人を通して描くことで、「フランス的思考」の姿に迫る一冊。 著者は「フランス的思考」という書名について、フランス語にすれば”pensée Française”(フランス思想)となるが、敢えて「的」「思考」とすることで『すでに確立された「フランス」の「思想」に関するなんらかの見取り図のようなものを答えとして提示する書物ではな』(P10)く『さまざまな留保つきではあれ「フランス的」という形容詞を冠することができるかもしれない「思考」のありようをめぐる問いかけの書物』(P10)として描く。反合

    「フランス的思考―野生の思考者たちの系譜」石井 洋二郎 著
  • 「ハプスブルクとオスマン帝国-歴史を変えた<政治>の発明」河野 淳 著

    十六世紀初頭から十七世紀末にかけて、神聖ローマ帝国=ハプスブルク家は強大なオスマン帝国の侵攻を撃退し続けた。フランスのように絶対主義体制の構築ができたわけでも、イギリスのように四方を海に守られていたわけでもなく、宗教戦争と度重なる国際戦争で疲弊し分裂した神聖ローマ帝国に、なぜオスマン帝国からの防衛が可能であったのか。その大きな要因として書は、ハプスブルク家における実証主義的政治の誕生を挙げている。 『書のテーマは単純で、オスマン帝国から国を守るという極限状況がハプスブルクに強いた、理想を追わず現実を直視するという心性が、十六世紀的な、世界を客観的、数量的に把握し分析するという技術と出会い、そこに強力な、説得力のある実証主義政治が生まれたというものである。脱魔術化しているという点において、この政治はすぐれて近代的な政治である。』(P229~230) この分析がとても面白い。もちろん、みん

    「ハプスブルクとオスマン帝国-歴史を変えた<政治>の発明」河野 淳 著
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