「琥珀色の街、上海蟹の朝」を、2016年5月31日に「くるり 20th ANNIVERSARY『NOW AND THEN vol.3』」のツアー・ファイナルである神奈川県民ホールで初めて聴いたときの衝撃は大きかった。その「琥珀色の街、上海蟹の朝」をはじめ6曲を収録した『琥珀色の街、上海蟹の朝』というEPは、情報量は多いものの、深いことを考えずに聴いていても楽しめるという点でポピュラリティーは高く、現在のくるりが辿り着いた境地を感じさせる作品だ。 「琥珀色の街、上海蟹の朝」をライブで聴いて驚いたのは、ソウル色の濃い演奏と歌、そして始まる岸田繁のラップだった。サビでは〈beautiful city〉と繰り返し歌われているが、「琥珀色の街、上海蟹の朝」はまさにシティ・ポップのような雰囲気で、「シティ・ポップという言葉が氾濫する現状への批評性によるものだろうか?」と邪推してしまったほどだ。 CDで
![くるり「琥珀色の街、上海蟹の朝」はシティ・ポップへの批評? バンドの現在地を追う](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/641c726397a895d12154ec6421e94ebfe2f3b86e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Frealsound.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2017%2F05%2F160706_quruli_s.jpg)