テレンス・キーリー氏は米資産運用大手ブラックロックに約10年間在籍した後、一般的な認識とは異なる結論に達した。「ESG(環境・社会・企業統治)はうまくいかない」というものだ。 キーリー氏は同社在籍時、中央銀行や財務省、ファミリーオフィス、政府系ファンドとの関係を醸成するグループの統括者を長年務めた。これら投資家の一部は政治家やアクティビスト(物言う株主)からの圧力にさらされ、ESG要素が不十分な企業への投資を避けようとした。ブラックロックは顧客が自らと同じ価値観を持つ企業に資金を振り向けるのを支援した。 キーリー氏は、ESG戦略がリターンの創出で信頼できるものでもなければ、変革に向けた真の起爆剤でもないことが明らかになった、と述べた。同氏は新著「Sustainable:...
半導体業界に精通したジェラルド・イン氏は米国を去り、半導体製造装置の世界的メーカーを構築しようと中国で18年を費やした。ところが米国の規制で業界の世界的な融合が危うくなり、イン氏のライフワークは先が見えなくなった。 米国人のイン氏が創業した中微半導体設備(AMEC)は半導体業界向けにエッチング装置などを製造する企業で、本社は上海にある。同社は大きく発展し、米国や日本の企業が占める業界トップの地位を狙っていた矢先に、米政府が規制を設けた。ロバート・ボッシュや米半導体メーカーのグローバルファウンドリーズなどの顧客を既に獲得しており、同社の装置は欧州やアジアの数十の製造ラインで使用されている。 だが10月、米国政府が輸出規制を導入した。今回の措置は中国のテクノロジー業界に対するこれまでで最も包括的な規制で、これにより、最先端半導体を開発する中国の業界は米国の技術や人材を活用することができなくなっ
半導体業界は猛スピードでの増産から一転して、コスト削減へと急ハンドルを切った。業界全般に需要低迷が広がっており、新型コロナウイルス禍の爆発的な成長から調整を迫られている。 ここ数週間には、採用凍結や人員削減、設備投資計画の引き下げ、生産縮小、業績見通しの下方修正などの発表が相次いだ。 スマートフォン向け半導体大手のクアルコムは2日、一部分野での支出削減や採用凍結を明らかにした。同時に示した10-12月期の業績見通しも悲観的な内容で、クリスティアーノ・アモン最高経営責任者(CEO)は「必要に応じてさらなる費用削減を行う」と述べた。 インテルも先頃、具体的な規模は明らかにしていないものの、人員削減を行う方針を発表。2025年までに最大で年間100億ドル(約1兆4700億円)の削減を目指しており、人員整理もその一環だ。...
米半導体大手インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は米政府が最近導入した半導体の対中国輸出規制について、米国が中国との競争で技術的主導権を維持しようとする中で避けられないものだと述べた。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催の年次会合「テックライブ」でゲルシンガー氏は、輸出規制は半導体のサプライチェーン(供給網)に必要な変化の一部だと指摘した。新規制では、人工知能(AI)やスーパーコンピューターに必要な特定の先端半導体や半導体製造装置を中国に輸出する場合、商務省の許可を取得することが義務付けられる。 同氏は「これは地政学的に避けられないと思った」とし、「だからこそサプライチェーンのリバランスが極めて重要なのだ」と述べた。 ...
【シンガポール】米国人は中国の半導体産業で重要な役職に就いており、メーカーが外国のライバルに追いつくための半導体開発に貢献している。ところが、中国の最先端の半導体開発を米国人が支援することを禁じる新たな輸出規制を米国が打ち出したため、こうした米国人幹部の立場が中ぶらりんになっている。 上場している中国半導体企業の上級幹部のうち、少なくとも43人が米国人だ。各社の当局への提出書類や公式ウェブサイトでウォール・ストリート・ジャーナルが確認した。その多くは最高経営責任者(CEO)や副社長、会長といった経営幹部に就いている。 米国人幹部のほぼ全員が、シリコンバレーで米国の半導体メーカーや半導体製造装置メーカーに勤めた後、中国の同業界に移っていることが、各社の提出書類で分かった。こうした経歴は、かつて人材が国境を越えて企業間で自由に行き来していた事実を反映している。中国政府が2008年に始めた人材招
【北京】米政府による半導体関連製品の対中輸出規制の影響を評価するため、米国の複数の半導体製造装置メーカーは中国の半導体大手に派遣している人員を引き揚げ、事業活動を一時停止している。事情に詳しい関係者らが明らかにした。 関係者によると、中国国有企業の長江存儲科技(YMTC)は米KLAやラムリサーチを含む主要サプライヤーからの供給停止に直面している。米商務省は先週、米国の技術が中国の軍事的発展につながることを防ぐための措置を明らかにしたが、その影響は半導体業界全体に及ぶ可能性がある。 米国の半導体製造装置メーカーが長江存儲科技の工場に派遣している数十人の従業員は、同工場の運営や生産能力の拡大で重要な役割を果たしている。事業活動の停止が長引けば、長江存儲科技をはじめとする中国の半導体メーカーは設備のアップグレードやメンテナンスに関する専門知識に加え、チップ開発に必要な次世代技術から切り離されるこ
【シンガポール】米半導体受託生産(ファウンドリー)大手グローバルファウンドリーズの「ファブ7」では、ビー、シュー、ブーンという音が鳴り響いている。スマートフォンや自動車用の半導体チップを製造するロボットアームなどの機械が発する音だ。ここは、同社の最先端の工場の一つで、350以上ある製造工程のうち人間を必要とする工程はほとんどない。 このような工場を誘致することで、シンガポールは富裕国には珍しく製造業の低迷を反転させた。世界銀行の統計によると、国内総生産(GDP)に占める製造業の割合は2005年の27%から2013年には18%に低下し、この都市国家は産業の衰退に直面した。 しかしその後、製造業が復活。世界銀行の最新のデータによると、2020年にはGDPの21%に上昇した。シンガポール政府のデータによると、2021年はGDPの22%を占めた。 ...
米データストレージ製品大手ウエスタンデジタル(WD)と半導体メモリー大手キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)による合併協議が進んだ段階にあることが、事情に詳しい関係者の話で明らかになった。 キオクシアの企業価値は200億ドル(約2兆2000億円)以上になる可能性があるという。実現すれば、世界の半導体業界の再編が進むことになる。 長引いている両社の協議がここ数週間で活発化し、早ければ9月中旬に合意に達する可能性があるという。WDによる支払いは株式交換方式で、合併後は同社のデービッド・ゴッケラー最高経営責任者(CEO)が経営を担う公算が大きいと関係者は話した。 WDが合意をまとめる保証はなく、キオクシアも計画を進めていた新規株式公開(IPO)や他社との合併を選ぶ可能性が依然残されているという。...
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