今週は、久々に本の話題で盛り上がった1週間でした。 村上春樹さん待望の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は、まるでドラクエのような深夜の行列を呼び、新聞、テレビにも大きく掲載されました。本屋大賞を受賞した百田尚樹さんの『海賊とよばれた男』と、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した船橋洋一さんの『カウントダウン・メルトダウン』も読書の醍醐味を味わえる傑作です。 中でも、オススメは『海賊とよばれた男』。出光興産創業者の出光佐三氏が激動の昭和を駆け抜ける様を描いた大河ロマン小説です。 海賊とよばれた男 上 [単行本] 敗戦によってすべてを失った主人公、出光佐三は戦後、中東の産油国からの直接取引に成功するなど事業を通して戦後日本の復興に尽力。積荷の主有権を巡ってイギリスから提訴されたものの、出光が全面勝利を収めました。国内外の批判に屈せず、戦勝国に対しても毅然とした態度を貫いた主人公が