アサド政権と反体制派の内戦が3年以上続くシリア。過激派組織「イスラム国」も台頭するなか、300万人以上が近隣国などに逃れ、難民として暮らす。その多くは都市部で貧しい生活を強いられている。ヨルダンの首都アンマンで難民の家族を訪ねた。 狭い通路の脇に干された洗濯物の下で、子どもたちが猫と遊んでいた。シリア中部ホムスから逃れてきたムスタファ・アフマドさん(64)は、家族5人で集合住宅の約20平方メートルの部屋で暮らす。 ホムスではタクシー運転手だった。2階建ての大きな家で子どもや孫ら一族25人で暮らし、笑いの絶えない生活が続いていた。ところが、2011年に反政府デモが起きると、アサド政権は市民を不当に逮捕するようになった。その後、反体制派が街に入り政権軍と戦闘に。アフマドさんの38歳と23歳の息子も、爆弾の破片を足に受けたり爆風を浴びたりした。 13年2月、一族は小さなグループに分かれてホムスを