『希望の資本論』(池上彰、佐藤優共著/朝日新聞社)という対談本のなかに、こんな話がありました。 佐藤優:『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(PHP研究所)を書いた山口真由さんの本を読んだらよくわかります。山口さんの本はある意味で東京大学を象徴している。彼女は東大首席卒業の弁護士なのですが、自分がなぜ東大の首席になったかについて書かれています。東大はある時期から天才ではなくても全優が取れるようになった。それは東大が国際基準で相対評価になって、3分の1は優をつけなくてはならない制度になったからです。 池上彰:なるほど。 佐藤:そうすると、トップにならなくても、全科目で3分の1に入ればいい。それを狙っている人は山ほどいる。だから自分は考えた。そういう人たちは単位を落とすことがないので、全員最低数の単位しか取らない。それで自分は2単位多く取ったと。162単位。そうすると、全優はたくさ