ある日、突然、始まる親の介護。脳梗塞で身体に麻痺が残ったり、認知症を発症したりした親御さんを前に、戸惑いを隠せない人もいるのではないでしょうか。東京都在住で大手百貨店に勤めるユカコさん(50歳)もその一人です。 【ケーススタディ】シングルで、他に兄弟もいないユカコさんは、遠く離れた故郷の岡山県でひとり暮らしをしていた母・ヤエコさんに認知症の症状が出始めた当初、誰にも相談できずにいました。ヤエコさんが病院に行くことを頑なに拒んだこともあり、要介護認定を受けられず介護保険を利用することもできません。そのため、日常的な食事や洗濯などは民間のヘルパーに依頼し、週末になるとヤエコさんの面倒を見るために、東京と岡山を飛行機で往復する日々が始まったのです。 【前編:恐怖の「親の介護で離職」を防げる制度があること、知っていますか?】 【中編:親の介護にかかる平均期間は4年11か月。その間に「介護破産」しな