日本の刑法では、自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しないと規定している(刑法37条1項)。 日本の刑法学では緊急避難は違法性阻却事由とみる説が通説となっている[2][3]。 日本の刑法では条文の位置からも正当行為、正当防衛、緊急避難の順に規定されており、前二者が明らかに違法性阻却事由であることから緊急避難も違法性阻却事由と解されている[6]。違法性が阻却されるためには刑法37条の要件を満たす必要がある。なお、以下の刑法37条の要件を満たさない場合でも期待可能性を欠く場合には責任が阻却されることがあり得る(超法規的緊急避難と呼ぶ)[5]。 現在の危難[編集] 緊急避難は現在の危難を避けるためのものでなければならない。 現在 現在とは法益の侵害の危険が直接切迫して