殺された店主は、山口組傘下組織の組長だった。神戸市長田区のラーメン店で起きた射殺事件は29日で発生から1週間になる。組長の姿は「正真正銘、ラーメン屋の店長にしか見えなかった」と常連客が証言する。なぜ、ラーメン店主と組長という二つの顔を持つようになったのか。 兵庫県警によると、撃たれたのは神戸市須磨区に事務所を置く湊興業の余嶋学組長(57)。特定抗争指定暴力団6代目山口組の中核組織、弘道会(名古屋市)に所属し、神戸市内にいる唯一の直系組長だった。 4月22日の白昼、下町のラーメン店「龍の髭(ひげ)」(神戸市長田区東尻池町9)で事件は起きた。余嶋組長は厨房付近で頭部から血を流して倒れ、まもなく死亡が確認された。司法解剖の結果、頭の中に銃弾が確認された。即死状態だったという。 常連客らによると、龍の髭は6年か7年ほど前に開店した。当初は定食店だったが、約5年前にラーメン店に変わった。業態を変えて