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ブックマーク / voxwatcher.blogspot.com (10)

  • 「ケインズ経済学に対する新たなる基礎づけ;ジョージ・アカロフへのインタビュー」

    “The New Case for Keynesianism;Interview with George Akerlof(pdf)”(Challenge, vol. 50, no. 4, July/August 2007, pp. 5–16) 現在主流の経済学で広く受け入れられている諸前提に挑むのはノーベル経済学賞受賞者でもあるジョージ・アカロフ。市場参加者の意思決定(なぜそのような意思決定を行うのか、意思決定はどのように行われるのか)に関してもっと現実的な見方に立てば、ケインジアンの信念が無理のないかたちで正当化されることが判明するだろう。政府による政策は経済を運営する上で決定的な役割を果たす。政府による政策を欠いた状態では、我々は一層大きなリスクに直面することになり、おそらくは経済成長は鈍化することになるだろう。 インタビュワー;アカロフ教授、この冬(訳注;2006年の冬)にあなたがア

  • Renee Haltom 「流動性の罠」

    Renee Haltom, “Jargon Alert-Liquidity Trap(pdf)”(Region Focus(First Quarter 2012), FRB of Richmond) 短期的な経済成長を刺激する上で中央銀行が無力となる状況は存在するだろうか? 幾人かの経済学者は、「今こそがまさにそのような状況である。経済は「流動性の罠」(“liquidity trap”)に嵌っているのだ。」、と主張している。 1930年代にジョン・メイナード・ケインズがはじめて「流動性の罠」という概念を導入して以来、それを支える理論に変化が生じたために、「流動性の罠」の定義には幾分かの曖昧さが生じることになった。最も広い意味では、金利がゼロ%にまで引き下げられたために金融政策が経済を刺激することができなくなってしまった-「罠」に嵌ってしまった-状況を指して「流動性の罠」と定義づけられている

    prisoneronthewater
    prisoneronthewater 2012/09/03
    乙です。
  • Alan Blinder 「ケインズ経済学」

    Alan S. Blinder, “Keynesian Economics”(The Concise Encyclopedia of Economics, Library of Economics and Liberty) ケインズ経済学(Keynesian economics)は、経済における総支出(total spending)-総需要(aggregate demand)とも呼ばれる-に関する理論であり、総需要が生産やインフレーションに及ぼす効果を理論的に研究する立場の一つである。これまで種々雑多なアイデアに対して「ケインズ経済学」という用語が(時に誤って)あてがわれてきたが、ケインズ経済学の中心的な教義(tenet)は以下の6つのポイントから成っているのではないかと思われる。はじめの3つのポイントは、現実の経済のメカニズム(経済はどのように機能するか)に関する視点をまとめたものである

  • Bennett McCallum 「マネタリズムの経済学」

    Bennett T. McCallum, “Monetarism”(The Concise Encyclopedia of Economics, Library of Economics and Liberty) マネタリズム(Monetarism)はマクロ経済学の一学派であり、以下の4点を強調する特徴がある。 (1)長期的な貨幣の中立性 (2)短期的な貨幣の非中立性 (3)名目利子率と実質利子率の区別 (4)政策分析における貨幣集計量(monetary aggregates)の役割の強調 代表的なマネタリストとしては、ミルトン・フリードマン(Milton Friedman)、アンナ・シュワルツ(Anna Schwartz)、カール・ブルナー(Karl Brunner)、アラン・メルツァー(Allan Meltzer)がいる。アメリカ以外の国でマネタリズムの初期の発展に貢献した経済学者とし

  • Gauti Eggertsson 「コモディティー価格と「1937年の過ち」:現代の経済学者は同じ過ちを繰り返すだろうか?」

    Gauti Eggertsson 「コモディティー価格と「1937年の過ち」:現代の経済学者は同じ過ちを繰り返すだろうか?」 Gauti Eggertsson, "Commodity Prices and the Mistake of 1937: Would Modern Economists Make the Same Mistake?"(Liberty Street Economics, FRB of New York, June 1, 2011) 1937年当時-特に、重大な政策上の失敗が生じる直前の時期-のアメリカが置かれていた経済状況は、今現在アメリカ経済が置かれている状況と驚くほど酷似したものであった。例えば、以下の経済状況についての要約的な記述を見てほしい。(1)ついに不況が終わりを迎えつつある兆しが見え、(2)数年にわたりほぼゼロ%の水準にあった名目短期金利がそろそろ引き上

    Gauti Eggertsson 「コモディティー価格と「1937年の過ち」:現代の経済学者は同じ過ちを繰り返すだろうか?」
  • Chris Dillow 「2つの正義」

    Chris Dillow, "Two justices"(Stumbling and Mumbling, May 03, 2011) オサマ・ビン・ラディンが殺害されたが、「正義が成し遂げられた」(“justice has been done”)と言ってしまっていいのだろうか?(こちらとこちらとこちらを参照) この問題について掘り下げて考えると、ちょっとしたパラドックスが持ち上がってくる。 大まかではあるが、「正義」についての立場は、「プロセスとしての正義」と「結果としての正義」の二つのタイプに分類することができる。「プロセスとしての正義」という観点からすると、正義は成し遂げられなかったことになろう。なぜなら、ビン・ラディンは、公正な(just)裁判を経た末に命を奪われたわけではないからである(原注1)。しかしながら、「結果としての正義」という観点からすると、正義は成し遂げられたと言えるの

    prisoneronthewater
    prisoneronthewater 2011/05/07
    乙です。
  • Anna Maria Mayda and Kevin H. O’Rourke 「大きな政府とグローバリゼーション;政府と市場の補完的な関係」

    Anna Maria Mayda and Kevin H. O’Rourke 「大きな政府とグローバリゼーション;政府と市場の補完的な関係」 Anna Maria Mayda and Kevin H. O’Rourke, “Big governments and globalisation are complementary”(VOX, November 12, 2007) 貿易の自由化は勝者と敗者を生み出すが、勝者は敗者が被る痛み以上の利得を手にする。政府は、勝者と敗者がお互いの利害得失を分かち合うメカニズム(勝者が敗者に補償するメカニズム)を前もって用意することを通じて、自由貿易に対する世間一般の支持を醸成するべきである。政府が前もって用意する補償メカニズムには、自由貿易に対する支持を醸成する力が備わっていることを示す証拠もあるのだ。 経済学者は、2世紀以上の長きにわたり、自由貿易の利

  • Nicholas Crafts and Peter Fearon 「記憶にとどめておくべきエピソード;1937~38年のアメリカの不況から得られる教訓」

    Nicholas Crafts and Peter Fearon 「記憶にとどめておくべきエピソード;1937~38年のアメリカの不況から得られる教訓」 Nicholas Crafts and Peter Fearon, "A recession to remember: Lessons from the US, 1937–1938"(VOX, November 23, 2010) 今般の世界的な経済危機と1930年代の大恐慌(Great Depression)を比較する言説はしばしば目にするが、「1937年の不況」についてはそれほど広範には論じられていない。稿では、「1937年の不況」からどのような教訓が得られるかについて検討する。「1937年の不況」は、世の政策当局者たちに対して、①財政再建は先延ばしすべきではない、②財政再建に向けて財政刺激策から手を引く「出口戦略」に乗り出す場合は

    Nicholas Crafts and Peter Fearon 「記憶にとどめておくべきエピソード;1937~38年のアメリカの不況から得られる教訓」
    prisoneronthewater
    prisoneronthewater 2010/11/24
    1937年不況について。
  • Paola Giuliano and Antonio Spilimbergo 「経済危機の長期持続的な諸効果」

    Paola Giuliano and Antonio Spilimbergo, “The long-lasting effects of the economic crisis”(VOX, September 25, 2009) 経済上の出来事(Economic events)は、長期にわたって持続する非経済的な諸効果を伴う可能性がある。稿では、経済上の出来事だったり、その時々の経済状況だったりが、個々人の終生にわたる信念にいかなる影響を及ぼすかを調査した研究の成果を紹介する。不況の最中に成育した若者は、人生で成功できるかどうかは努力よりも運にかかっていると考える傾向にある。それだけではない。不況の最中に成育した若者は、政府による再分配政策を強く支持する傾向にある一方で、公的な制度に対してそれほど信頼を寄せない傾向にもあることが見出されている。現下の厳しい不況は、リスクを嫌うと同時に、政

  • Paul Krugman 「サミュエルソン ~比類なき経済学者~」

    Paul Krugman, “Paul Samuelson:The incomparable economist”(VOX, December 15, 2009) 論説は、ポール・サミュエルソン(Paul Samuelson)の生涯と業績に関する回顧記事である。 ご存知だとは思うが、ここで私は、アイザイア・バーリン(Isaiah Berlin)が思想家を類別するために使った、かの有名なたとえ話を持ち出しているのである。キツネは多くのことを知っている(foxes who know many things)。一方で、ハリネズミはたった一つのことしか知らない、ただし、非常に重要なアイデア(=ビッグ・アイデア)を一つ(hedgehogs who know one big thing)・・・というお馴染みのアレである。経済思想家としてのサミュエルソンを、人類史上にわたって比類なき経済学者たらしめて

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