アスターと名づけられた生後7カ月のチーター。密売人に売り渡される前に当局によって保護された。毎年、多くのチーターの子(ことによると数百頭もの)が、ソマリランドからペルシャ湾岸諸国へ違法に売買されている。(PHOTOGRAPH BY NICHOLE SOBECKI) アフリカでは幼いチーターが捕らえられ、ペットとして売られる違法取引が横行している。犯罪組織による密輸の現状と、ソマリランド当局の撲滅活動を追った。 この動物に見覚えがありますか? 検察官はケージに押し込められた5頭の幼いチーターを指して、そう質問した。法廷の前方にある格子で囲まれた小部屋には2人の被告人がいる。鳥のさえずりのようにも聞こえるチーターの悲痛な鳴き声が、コンクリートの床や壁に響き渡った。 被告人の一人、アブディラフマーン・ユスフ・マフディ(通称アブディ・ハヤワーン)は、チーターに目をやると、「一度も見たことがありませ