日本で戦後最大となり得る防衛費の増額に向けて準備が進む中、注目されやすい戦闘機や戦車、艦船などの装備品だけではなく、自衛官の給与増額や弾薬備蓄、予備部品、後方支援(ロジスティクス)といった比較的目立たない部分にも焦点を当てるべきだとの声が専門家から出ている。 防衛省は8月末に2023年度予算概算要求をまとめる。自民党は北大西洋条約機構(NATO)諸国が掲げている国防予算の対GDP比目標(2%以上)も念頭に、5年以内に防衛力を抜本的に強化するよう提言した。同水準に増額すれば、日本の防衛費は現在の年間5兆円から倍増となり、世界の軍事費ランキングで現在の9位から、米国、中国に次ぐ3位へ一気に浮上する公算が大きい。 日本はこれまで国内総生産(GDP)の1%程度に防衛費を抑え、平和憲法の下で自国の安全保障を米国の「核の傘」に委ねてきた。報道各社によると、政府は23年度概算要求で、防衛費については上限