ブックマーク / natrom.hatenablog.com (13)

  • 『週刊現代』のジレンマ - NATROMのブログ

    以前、マスコミからのインタビューに対する報酬について話題になった(■「孤独のグルメ」久住先生が報酬・校正無しの取材を断った件で浮上した、『無償による真実性』という原則とそれに対する疑問の声 - Togetter)。私も、ときにメディアから取材やインタビューの依頼を受けるが、報酬は発生したりしなかったりする。これまでの経験では、週刊誌系メディアでは報酬が発生するのに対し、新聞系メディアでは発生しないことが多い。 無報酬を原則とする言い分も理解はできる。あくまで私の経験の範囲内だが、平均すると、無報酬のメディアのほうが質の高い記事が多い。謝礼を払うと、謝礼目的の有象無象の情報が集まりやすいという面はあろう。週刊誌の医療記事では、「お前はいったい何の専門家だ」と問い詰めたくなるような「常連」のコメンテイターが記事の質を下げている。記事を書く方にとっては都合のよい「専門家」のコメントが得られ、コメ

    『週刊現代』のジレンマ - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2022/12/30
    “医療関係について不正確な記事を書いているのは週刊現代に限らないのだが、たまたまこの時分に週刊現代が立て続けに「飲んではいけない薬」の特集を掲載していたことによる。”
  • 「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ

    プレジデント2022.10.14号で「信じてはいけない!健康診断、医者、クスリ 最新版・コロナ対応 病院に頼らない生き方」という特集が組まれ、養老孟司氏と和田秀樹氏の対談が掲載されました。その対談から和田氏の発言部分を引用したツイートが6000件以上のリツイート、1.6万件以上の「いいね」がされました。 これ、もう答え出てるじゃん。 プレジデント 2022.10.14号 和田秀樹氏 pic.twitter.com/AW5M7xfsCK— のりのりもふもふ (@SFtFQjTAUuQzPVF) October 6, 2022 引用された和田氏の発言は「財政破綻した夕張市が結果的に社会実験になりました。市民病院が廃院になって、19床の診療所だけになり、しかも無料バス廃止で通院に1000円かかるようになり、多くの人が医者にかかれなくなった。市民の健康状態は悪化するのかと思われたが、ほとんどの病気

    「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2022/10/25
    “養老氏や和田氏が標準的な予防医療を否定するのは勝手ですが、ならば夕張市の事例を好意的に紹介すべきではありません。そもそも…夕張市の事例を好意的に紹介するのは浅はかとしか言いようがありません。”
  • はたともこ氏(民主党)の主張を紹介してみる - NATROMのブログ

    理想的な立候補者や政党はなかなか無いので、選挙では「比較的まし」な選択肢を選ばざるを得ない。どの政党にもある程度は困った人はいるだろうが、ある民主党公認候補者が主な理由で、前回の比例代表選挙では私は民主党には投票しなかった。その候補者が、今度、繰り上げ当選になるそうだ。 ■時事ドットコム:民主・秦氏が繰り上げ当選へ 西岡武夫参院議長が5日死去したことに伴い、2007年7月の参院選の民主党比例代表名簿に従って、秦知子氏が繰り上げ当選する。中央選挙管理会が近く決定する。 はたともこ(秦知子)氏は、薬剤師かつケアマネジャーと紹介されている。薬剤師であるから、理系方面、とくに医療関係で活躍を期待したいのだが、これから紹介するように、いろいろ不安がある。賛成するにせよ、反対するにせよ、繰り上げ当選して国会議員になる人物の主張を知っておくことは悪いことではなかろう。はたともこ氏のブログ、およびツイッタ

    はたともこ氏(民主党)の主張を紹介してみる - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2021/09/22
    2011年11月の記事。“はたともこ氏は専門家の意見を知らないと私は推測する。添加物や農薬・化学肥料が癌の主因であるのが「否定できない事実」だと考えるような人物に政策を決められたくはない。”
  • 新型コロナに対するイベルメクチンのケースシリーズを発表してほしい - NATROMのブログ

    イベルメクチンに対する「熱狂」 一部の界隈で新型コロナウイルス感染症に対する抗寄生虫薬「イベルメクチン」への期待が高まっている。熱狂的であるとすら言える。「海外ではイベルメクチンが大きな成果を上げているのに日で使用が制限されているのはけしからん」といった具合だ。反ワクチンや陰謀論(「安価なイベルメクチンで新型コロナが予防・治療できるとワクチンをはじめとした高価な薬が売れないので巨大な利権が妨害しているんだよ!!」)とつながっていることもあり危惧を覚える。 現時点ではイベルメクチンが新型コロナに効くことを示す良質な証拠はない。日だけではなく、海外でも主な公的機関は臨床試験以外でのイベルメクチンの使用を推奨していないが、ごく当然のことである。「ワクチンは受け入れられたのに実績のあるイベルメクチンが受け入れらないのは不公平」という類の反論もあるが、イベルメクチンの偉大な実績は寄生虫疾患に対す

    新型コロナに対するイベルメクチンのケースシリーズを発表してほしい - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2021/08/27
    “「熱意」は免罪符にならない。むしろ被害を大きくするおそれすらある。質の高いランダム化比較試験の結果が待たれる。”
  • ワクチン接種割合からワクチンの効果を評価するときに気をつけること - NATROMのブログ

    新型コロナによる重症者や死亡者中に占めるワクチン接種者の割合についての報道が増えてきた。たとえば、 ■その数字がワクチン接種を促すか──6月に死亡した米コロナ患者の「ワクチン未接種率」が明らかに(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース という記事によれば、「(アメリカ合衆国)国内で6月に新型コロナウイルスによって死亡した人の99.2%はワクチンを接種していなかった」とある。もちろん99.2%という数字だけではあまり意味がなく、比較の対照が必要だ。仮に死亡しなかった人でも99.2%がワクチンを接種していなかったとしたら、新型コロナによる死亡とワクチン接種には関連があるとは言えない。 記事では「18歳以上のアメリカ人成人の67%が少なくとも1度目のワクチンを打ち終えており、58%が2度目の接種も終えた」という数字も紹介してある。集団中においてワクチン未接種者の割合は30%強であるのに対

    ワクチン接種割合からワクチンの効果を評価するときに気をつけること - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2021/07/31
    “日本においても「重症者中のワクチン接種者の割合は○○%、日本人の接種割合●●%と比べてどうこう」という情報が出てくるであろう…バイアスや研究の限界があることを念頭に置いて評価していただきたい。”
  • 「コロラド先生」のツイッターアカウント凍結と過去の発言について - NATROMのブログ

    積極的にHPVワクチンや新型コロナウイルス感染症について情報を発信していた「コロラド先生」*1のツイッターアカウントが凍結されたようである。異邦人氏のツイートを引用する。 コロナについて科学的見地から徹頭徹尾データに基づき素晴らしい発信を続けていたコロラド先生(@BB45_Colorado)のアカウントが、あろう事か凍結されてしまったようで閉口せざるを得ない。余りにも理不尽で暗澹たる気持ちにさせられる。コロナ死者数を嘲笑う人間が野放しでコレか。— 異邦人 (@Narodovlastiye) May 24, 2021 「徹頭徹尾データに基づき素晴らしい発信」をしていたかどうかについては大いに疑問だが、アカウント凍結は私にとって残念なことである。というのも、BB45_Colorado氏は過去にHPVワクチンについてきわめて問題のある発言をしていたが、その検証が困難になったからだ。わかっている範

    「コロラド先生」のツイッターアカウント凍結と過去の発言について - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2021/05/25
    “「徹頭徹尾データに基づき素晴らしい発信」をしていたかどうかについては大いに疑問だが…というのも、BB45_Colorado氏は過去にHPVワクチンについてきわめて問題のある発言をしていたが…”
  • イソジンうがいで新型コロナの重症化予防という話はどうなったか追いかけてみた - NATROMのブログ

    2020年8月の会見「うそみたいな当の話」 新型コロナウイルス感染症の第四波の真っ最中で、とくに大阪府は厳しい状況だ。大阪と言えば、昨年2020年8月に大阪府吉村洋文知事が会見で「うそみたいな当の話をさせていただきたい。ポビドンヨードを使ったうがい薬、目の前に複数種類ありますが、このうがい薬を使って、うがいをすることでコロナの陽性者が減っていく」と述べた。また、接待を伴う飲店の従業員や医療介護者・介護従事者などに「ポビドンヨードうがい薬によるうがいを励行」を勧めた*1。ポビドンヨードを使ったうがい薬の代表的な商品がイソジンうがい薬である。会見はテレビで放送され、うがい薬の売り切れが続出したという。 ポビドンヨードに新型コロナウイルスを不活化する作用があるのは事実だ。ただ、それは試験管内、実験室内の話で、実地臨床の場において感染予防効果や重症化予防効果があるかどうかは別問題である。

    イソジンうがいで新型コロナの重症化予防という話はどうなったか追いかけてみた - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2021/04/16
    “研究の目的となった臨床的疑問に対して何も答えが得られなかった研究が失敗です。「この方法はどうやら効果がない…」といったことが新しく判明することも研究の成果です。”
  • ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ

    新型コロナウイルスワクチンが、日でも今年の2月から順次接種される予定だ。発症予防と重症化予防の効果は確かで、短期的な安全性も海外で数万人単位の臨床試験および千万人単位での実地での接種が済んでおりほぼ確認されている。重篤な副作用はあるが頻度は十分に小さく、害より利益が上回るのは明確だと私は判断し、順番が来た時点ですみやかに接種を受けるつもりである。 しかしながら、他者への感染予防効果については、効果は示唆されるものの、現時点では確実とは言えない*1。また、当然のことであるが1年以上を単位とした長期的な副作用の有無はまだわからない。ワクチンを接種するのをためらい、保留する人がいるのは当然のことだ。あるいは、どんなにまれであっても重篤な副作用が起きる可能性があるワクチンを接種したくない人もいるであろう。 どのような医療を受けるかを決める権利は人にある*2。もちろん、ワクチンについてもそうだ。

    ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2021/01/30
    “ワクチンを不安に思い接種しないことと、ワクチンの不安を煽って他者にワクチン接種を忌避させることは、明確に区別されるべきだ。”
  • 書評『「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論』 - NATROMのブログ

    「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論 (単行) 献御礼。タイトルの通り、色覚についての自然科学、および、「色覚異常」*1と社会との関わりについて書かれただ。サイエンスの部分(第2部)も興味深いが*2、その部分の書評は他の方に任せて、社会との関わり、とくに医師が関わる部分について述べる。 かつて学校で先天性色覚異常の検査が行われていた。私も小学生のころ学校で色覚検査を受けたことがある。2003年に学校での色覚検査は学校健診の必須項目から削除されたそうだが、検査に使う石原式色覚異常検査表を見たことがある人は多いだろう。その後、私は医学部に入学したが、当時、色覚異常でも受験資格があったどうかは記憶にない。当事者でなければ気にせずにいられたわけだ。医学部では眼科学は学ぶが色覚異常はさほど深くは学ばない。むしろ遺伝学に関連して、ヒトの伴性遺伝の例として学んだことをよく覚

    書評『「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論』 - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2020/11/23
    “スクリーニング…の害は過小評価されている。専門家向けの教科書の序文のまず最初に「すべてのスクリーニングには害がある」と書かれているのは、スクリーニングの害が軽視されている現状に注意を促すためだ。”
  • PCR検査は感染症の診断に広く使われている - NATROMのブログ

    ニセ科学によく見られる特徴の一つに「標準的な学説の一つを否定するに留まらず科学の広範囲な分野を否定する」というものがある。そしてしばしば、ニセ科学の信奉者はそのことに無自覚だ。たとえば、千島学説は、別名を腸内造血説と呼ばれ、「造血の場は骨髄ではなく腸である」だとするニセ科学だが、つきつめると千島学説は現代生物学のほぼすべてを否定していることになる。しかし、千島学説支持者はそのことをわかっていない。 単に造血の場は腸である、というだけではなく、赤血球は造血幹細胞が細胞分裂・分化してできるのではなく消化されたべ物が変化して生じる、というのが千島学説の中心的な主張だ。べ物から赤血球ができるとして、いったいヘモグロビンはどこから現れるのか?定説ではヘモグロビンの遺伝情報はDNAにコードされており、mRNAへ転写され、ポリペプチドに翻訳される(高校生物学で習ったように記憶している)。もちろん、

    PCR検査は感染症の診断に広く使われている - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2020/10/13
    “ニセ科学によく見られる特徴の一つに「標準的な学説の一つを否定するに留まらず科学の広範囲な分野を否定する」というものがある。そしてしばしば、ニセ科学の信奉者はそのことに無自覚だ。”
  • WHOは抗がん剤治療を含めた三大療法を勧めている - NATROMのブログ

    ネットでは間違った医学情報がたくさん流れています。その中の一つに「WHOが抗がん剤の使用をやめるようにいいだした」というものがあります。実際には、WHOはそんなことは言い出していません。WHOのウェブサイトにアクセスすれば一目瞭然です。 がん治療についてWHOが言っていること WHOはさまざまな医学情報を提供しています。たとえば、一般的ながん(Cancer)についてのページを引用してみましょう。がんに対する治療として、外科手術、放射線治療、抗がん剤治療(化学療法)に効果があることをWHOは認めています。引用者による意訳と、抗がん剤治療の部分に強調をつけました。 ■WHO | Cancer Cancer is the uncontrolled growth and spread of cells. It can affect almost any part of the body. The

    WHOは抗がん剤治療を含めた三大療法を勧めている - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2020/09/19
    2015年4月の記事。“間違った医学情報…「WHOが抗がん剤の使用をやめるようにいいだした」というものがあります。実際には、WHOはそんなことは言い出していません。WHOのウェブサイトにアクセスすれば一目瞭然です。”
  • HPVワクチンが子宮頸がんを増やすというニセ情報を検証してみた - NATROMのブログ

    子宮頸がんの原因の大多数はHPV(ヒトパピローマウイルス)の慢性感染であり*1、HPVワクチンによってHPVの感染を防ぐことで子宮頸がんを予防することが期待できる。もちろんワクチンである以上、100%の安全性は保障できず、頻度はともかくとしてHPVワクチンが重篤な副作用を引き起している可能性は否定できない。ニセ医学に頼らなくてもワクチンの害について議論することはできるのだが、一部のというか、多くの「反HPVワクチン」論者は完全にニセ医学側に立っている。不幸なことだ。 彼らの定番の「デマ」の一つが「HPVワクチンは子宮頸がんを減らすどころかむしろ増やしている」という主張だ*2。一般の人たちだけではなく、科学コミュニケーションや 科学ジャーナリズム論を大学で教えている先生も「釣られている」*3。何らかの対抗言論が必要だと考えた次第だ。 HPVワクチンがHPVの感染を防ぐこと、および、前がん病変

    HPVワクチンが子宮頸がんを増やすというニセ情報を検証してみた - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2020/08/31
    “そもそもHPVワクチン導入の2007年より前より増加傾向である。このグラフを出してHPVワクチンが子宮頸がんの増加と関係があるかのように述べるのは、騙されているか、騙そうという意図があるかのどちらかだ。”
  • 新しいニセ医学「新型コロナ否認主義」 - NATROMのブログ

    標準的な医学的知見を否定する名誉教授と市議会議員 日野市議会議員の池田としえ氏が、2020年6月8日に「新型コロナに迫る!」 *1と称して議会で質問をしたが、その内容に危惧を覚えたのでここで指摘する。端的に言えば、池田としえ氏は、YouTube等で徳島大学名誉教授・大橋眞氏が主張している「新型コロナウイルスは存在しない」というきわめて根拠に乏しい独自の説に基づいて質問を行った。動画*2を拝聴したところ、大橋眞氏の主張には問題点がいくつもあった。 池田としえ氏のfacebookより。「やはり、新型コロナウィルスは存在しない」。URL:http://archive.vn/SsLPH ほとんどの人がご承知であるが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は重症の肺炎を引き起こす。しかし、大橋眞氏は標準的な医学的知見を否定し、「PCR検査で測定しているのは、病原性のない常在性ウイルスである可能性

    新しいニセ医学「新型コロナ否認主義」 - NATROMのブログ
    prna79
    prna79 2020/06/15
    “大橋眞氏の説を荒唐無稽と思われたであろうか。確かに荒唐無稽であるが、類似した先行事例がある。「エイズ…の原因はHIV…ではない」という、「エイズ否認主義」と呼ばれる主張だ。”
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