大和王権が確立し、国家としての体制を作り上げる4世紀から6世紀にかけて、各地で実力を蓄積していた豪族たちとは、どんな集団だったのだろうか? 紀伊の国を中心とした岩橋千塚古墳群を歩きながら、考えてみたい。 和歌山県 岩橋千塚(いわせせんづか)古墳群MAP 大阪府と奈良県に接する和歌山県北部紀ノ川沿いに築かれた大古墳群。発掘調査が続けられ、公園としても整備されている。和歌山県立紀伊風土記の丘公園。紀ノ川上流に遡れば高野山、真田幸村親子が幽閉された九度山真田ミュージアム、河口方面には和歌山城がある。(展示:和歌山県立紀伊風土記の丘資料館/撮影:柏木宏之) 豪族たちの勢力範囲は現在の行政区分を外して広く考えてみよう 奈良県や大阪府には巨大な大王墓が群れをなして残されています。 そして、その王権を支えた大豪族たちの存在の痕跡は、大王墓エリアを囲むように広大な地域に残されています。 例えば、和歌山県北