ブックマーク / www.technologyreview.jp (62)

  • AIモデル評価用データセットに多数の誤り、実は優秀ではなかった?

    MITの研究者が、人工知能AI)の機械学習モデルの評価に使われている有名なデータセットの中に、誤ってラベル付けされたデータが多数含まれていることを発見した。最も優れていると見なされていたAIモデルが、実はそうではなかったという事態が発生するかもしれない。 by Karen Hao2021.04.05 272 73 20 23 人工知能AI)の研究で最も利用されている10種類のデータセットには、ラベル付けに多数の誤りがあることがマサチューセッツ工科大学(MIT)の新たな研究でわかった。AI分野の進歩に対する私たちの認識は正確なものではなかったということだ。 データセットはAI研究の中核となるものだが、そのデータセットの中でも特に重要度が高いものがある。AIの能力が時間を経るにつれてどう向上しているかを調べるために機械学習モデルの評価に使用される、核となるデータセットが存在するのだ。よく知

    AIモデル評価用データセットに多数の誤り、実は優秀ではなかった?
  • 3Dプリント製「火星の家」の住み心地は? NASA主催コンペ決勝へ

    2015年から実施されているNASAの宇宙基地設計コンペは、ついに2チームによる決勝戦を残すのみとなった。同コンペでは、再生利用可能な材料と、目的地に存在する資源だけを使って、3Dプリンターで有人ミッションを支援する建造物を作るという困難な課題に各チームが挑んでいる。 by Erin Winick2019.04.26 112 12 1 1 人類を深宇宙に送り出すのなら、荷物は軽くする必要がある。つまり、現地で見つかる資源は何でも活用すべきだということだ。 2015年以来、米航空宇宙局(NASA)はこれを実現するために、3Dプリントの宇宙基地設計のコンペ(3D Printed Habitat Challenge)を開催してきた。このコンペでは、再生利用可能な材料と、月や火星、その他深宇宙の目的地に存在する資源だけを使って、3Dプリントで有人ミッションを支援する建造物を作ることを競い合う。ここ

    3Dプリント製「火星の家」の住み心地は? NASA主催コンペ決勝へ
  • アンドリュー・ングが語った、AI導入を成功させる秘訣

    ビジネスへの人工知能AI)の採用に魅力を感じつつ、躊躇している企業は多いのではないだろうか。グーグル・ブレイン(Google Brain)の創設者で、バイドゥの元主任研究員でもあるアンドリュー・ングがちょっとしたアドバイスをくれた。 by Karen Hao2019.04.02 28 15 8 1 もし、あなたがビジネスへの人工知能AI)を採用しようとしつつ、その展望を前に気後れしている企業の幹部だったら、グーグル・ブレイン(Google Brain)の創設者で、バイドゥの元主任研究員でもあるアンドリュー・ングからちょっとしたアドバイスがある。「行動あるのみです」。 ングは、MITテクノロジーレビューが主催する人工知能AI)カンファレンス「 EmTechデジタル(EmTech Digital)」のステージで、次のように言った。「大変な旅になりますが、飛び込むのは難しくありません」。

    アンドリュー・ングが語った、AI導入を成功させる秘訣
  • AIの未来はハードにある——インテルとエヌビディア幹部が語る

    現在の人工知能AI)の躍進においてハードウェアが果たした役割は非常に大きく、今後起こるであろうのAIのブレークスルーにも大きな影響を及ぼす。インテルとエヌビディアの幹部が語った。 by Karen Hao2019.04.01 51 30 7 0 人工知能AI)の次なるブレークスルーは、アルゴリズムではなく、ハードウェア設計によって可能になるだろう——。3月26日に開催されたMITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTechデジタル」で講演したエヌビディア(Nvidia)のビル・ダリー主任科学者の主張だ。「深層学習における現在の革命は、ハードウェアによって可能となったのです」とダリー主任科学者は語った。 その証拠としてダリー主任科学者が挙げたのは、AI分野の歴史である。今日使われているアルゴリズムの多くは1980年代以降のものであり、大量のラベル付きデータを使ってニューラル・ネ

    AIの未来はハードにある——インテルとエヌビディア幹部が語る
  • グーグル、ニューラル・ネットで「ゲシュタルトの法則」を確認

    人間は、不完全な対象を補間して完全なものとして知覚できる。人間の脳をモデルにしたニューラル・ネットワークにおいて、こうした心理学の法則は成立するのだろうか。グーグル・ブレインの研究チームが答えを出した。 by Emerging Technology from the arXiv2019.03.22 137 93 7 0 20世紀初頭にドイツの実験心理学者のグループは、人間の脳が予測不可能な混沌とした世界を意味ある世界として認識する方法に疑問を持ち始めた。そして、この疑問に答えるために「ゲシュタルト効果」という概念を発展させた。知覚を考えるとき、部分の集合体ではなく全体性に重点を置いて捉える考え方だ。 それ以来、心理学者たちは人間の脳が断片的な情報に基づいて全体像を知覚するのに著しく優れていることを発見してきた。その良い例が以下に示した図だ。脳は三角形や四角形などの2次元形状に加え、3次元の

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  • 脱・現金大国へ 日本はブロックチェーンで 生まれ変われるか?

    Will people ditch cash for cryptocurrency? Japan is about to find out 脱・現金大国へ 日はブロックチェーンで 生まれ変われるか? 世界有数の現金大国である日が、キャッシュレス社会の実現へと動き出した。クレジットカードなどの既存の決済手段の普及が遅れている日は、先進的なテクノロジーを一足飛びに導入して成功できる可能性がある。 by Mike Orcutt2019.03.18 133 48 7 0 日人には、「現金払い」というぜいたくな習慣がある。 世界第3位の経済大国では、ほとんどの支払いに紙幣と硬貨が使われている。クレジットカードやデビットカードの普及する西欧諸国だけでなく、さまざまな「キャッスレス」電子決済が普及する中国韓国とも、日は一線を画す。 つまりこれは、日にはキャッシュ・レジスターだけでなく、相当

    脱・現金大国へ 日本はブロックチェーンで 生まれ変われるか?
  • ゼストファイナンス、AIと機械学習で与信革命を起こしたと発表

    ゼストファイナンスは、従来の与信では使われてこなかったデータを機械学習で発掘し、信用データがなくても貸し倒れが起きにくい借り手を見つけられる、という。 by Nanette Byrnes2017.02.15 4 14 8 0 与信を数値化したクレジットスコア(信用度)は、住宅担保ローンからクレジットカードまで、アメリカの消費者のあらゆる借入の返済能力を評価する重要な手法として、ずっと使われている。しかし、クレジットスコアを算出するFICO等の企業は、クレジット・ヒストリー(支払履歴)やクレジットカード残高といった、その時点ですでに信用があるかどうかを示すに要素を根拠にする傾向がある。 近年、多くのスタートアップ企業が起業しているのは、実績のない借り手でも、実際には返済する可能性が相当に高い場合があるはずで、膨大な量のデータ、特に、従来は信用評価の一部として使われなかったデータを分析すれば、

    ゼストファイナンス、AIと機械学習で与信革命を起こしたと発表
  • 機械学習の「限界」を克服 トップ学会で称賛された 新設計のニューラル・ネット

    A radical new neural network design could overcome big challenges in AI 機械学習の「限界」を克服 トップ学会で称賛された 新設計のニューラル・ネット 深層学習ニューラル・ネットワークは、機械学習の分野に大きな進歩をもたらしたが、健康状態の変化などの連続的な過程をモデル化するのには適していない。トロント大学などの研究チームが、この課題を解決した新たな機械学習の設計手法を提案した。 by Karen Hao2018.12.25 394 143 45 2 デイビッド・デュベノー博士が人工知能AI技術の大きな欠点に気付いたのは、医療データに関するプロジェクトに取り組んでいたときだった。 トロント大学のAI研究者であるデュベノー博士は、時間とともに変化する患者の健康状態を予測する深層学習モデルの構築を目指していた。だが医療記

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  • MIT Tech Review: 米大手スーパー、完全自律自動車での宅配を開始

    米スーパーマーケット・チェーン大手のクローガー(Kroger)がアリゾナ州スコッツデールで、完全自律自動車による配達を試験中だ。 クローガーは今年7月、ロボット車両企業のニューロ(Nuro)との提携を発表した。発表当時は自動運転車に人間のドライバーが同乗しており、完全自律自動車ではなかったものの、8月以降、およそ1000回の試験を重ねてきた。 現在、少なくとも1台の自律自動車が、シリアルや軽の配達を始めている。クローガーの配達サービスとしては初となる完全自律自動車「R1」は、12月18日にサービスを開始。配達料金は5.95ドルで、当初はアリゾナ州の1店舗でのみサービスを提供する。利用者は配達車両の到着を外で待ち、荷物は自分で下ろす必要がある。 ポストメイツ(Postmates)の新型ロボットがちょうど先週発表された(そして今週初めには大学生が(炎上した)ロボットのためにキャンドルを灯して

    MIT Tech Review: 米大手スーパー、完全自律自動車での宅配を開始
  • ASCII.jp:UCバークレー学内で出前ロボットが炎上、学生らが追悼

    12月14日、カリフォルニア大学バークレー校のキャンパス内で出前ロボットの「キウイボット(KiwiBot)」が炎上した。ネット上には悲しみの声があふれ、学生らはキャンドルを灯してキウイボットを追悼した。 バークレー校内でべ物を配達する100体の出前ロボットのうちの1体、キウイボットが突然発火した。メーカーは人的ミスが原因だと主張し、誰かが欠陥のある電池を装填したことで熱暴走が起きたと述べた(電池の熱暴走は、2016年のサムスンのスマートフォンGalaxy Note 7発火の原因にもなった)。メーカーは問題の再発を防ぐため、新たなソフトウェアでロボット内の電池をモニターすると約束した。 学生新聞によると、学生たちは「Overheard at UC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校で小耳に挟んだこと)」というフェイスブック・ページでキウイボットを追悼し、このロボットを「ヒーロ

    ASCII.jp:UCバークレー学内で出前ロボットが炎上、学生らが追悼
  • MIT Tech Review: 映像から3Dモデルを自動生成、エヌビディアがトップ学会で発表した驚きの新技術

    AI software can dream up an entire digital world from a simple sketch 映像で3Dモデルを自動生成 エヌビディアがトップ学会で 発表した驚きの新技術 物のような3DCG映像を作るには、高いスキルと創造性、忍耐が必要だ。エヌビディアが開発したソフトウェアは、GANを使って映像から3Dモデルを生成し、レンダリングまで自動化する画期的なものだ。 by Will Knight2018.12.12 106 40 4 1 物のように見えるバーチャル環境を作るには時間とスキルが必要だ。 3Dシェイプや適切なライティング、質感をレンダリングするグラフィックス・チップを使い、手作業でディテールを作り込む必要がある。たとえば、最新の大ヒットビデオ・ゲームの「レッド・デッド・リデンプション2(Red Dead Redemption 2)」は

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  • MIT Tech Review: AIに創造性を吹き込む「GAN」とはどんなテクノロジーか?

    敵対的生成ネットワーク(GAN)はAIの創造性を伸長させると同時に、ある種の「危うさ」をもたらしている。その基礎となる考え方を紹介しよう。 by Karen Hao2018.12.07 61 42 19 2 この3週間、MITテクノロジーレビューは人工知能AI)の基を紹介してきた(関連記事1、関連記事2)。以下に要約する。 AIの進歩と応用のほとんどが、データのパターンを見つけて再適用する、機械学習と呼ばれる種類のアルゴリズムに基づいている 機械学習の強力なサブセットである深層学習は、ニューラル・ネットワークを使用して最小のパターンさえも見つけ、それを増幅する ニューラル・ネットワークとは単純な計算ノード層で、複数のノードが同時に働いてデータを分析する。人間の脳内のニューロンのようなものだと考えればよい さて、お楽しみはここからだ。ニューラル・ネットワークを1つ使用すると、パターンを学

    MIT Tech Review: AIに創造性を吹き込む「GAN」とはどんなテクノロジーか?
  • MIT Tech Review: 特定企業を優遇、Twitterは締め出し——FB内部文書、6つの衝撃

    英国議会は250ページにおよぶフェイスブックの内部文書を公開した。この文書には、最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグと他の経営幹部の間でやり取りされたメールなどが含まれている。 この文書は英国当局が、ロンドンに滞在していた米国のソフトウェア会社、シックス・フォー・スリー(Six4Three)の創業者であるテッド・クレイマーから入手した。クレイマーはフェイスブックに対して、アプリの運営に必要なデータにアクセスできなくされたと、2015年以来法廷闘争中である。 公開された文書の内容は、フェイスブック上のアプリと、ユーザーの個人データへのアクセス、そして今年初めに起きたケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)のデータ流出スキャンダルにも繋がる、重要なトピックに関わるものだ。 この内部文書から分かる6つの重要な点はこうだ。 ・フェイスブックは特定の企業を「ホ

    MIT Tech Review: 特定企業を優遇、Twitterは締め出し——FB内部文書、6つの衝撃
  • 米「国家量子法」成立遅れる可能性、主導権争いへの影響懸念

    米国の量子技術に関する国家計画が、中間選挙によって延期される可能性が出てきた。MITテクノロジーレビューが得た情報によると、科学技術政策局(OSTP)は9月24日に開催される会議において、国家戦略をすみやかに策定する重要性を強調する予定だという。 OSTPは9月24日、学識者や政策立案者、企業経営者らを一堂に集め、量子コンピューティングとその関連分野の発展について話し合う会議を開催する。この時期に開催されることが重要だ。米議会は現在、この先10年間の「国家量子イニシアチブ(NQI)」を策定する法案を審議中だ。NQIでは研究効果を高め、量子技術に携わる研究者の育成を促進するために、およそ13億ドルもの財源が充てられる。だが新法は11月の中間選挙までに成立せず、2019年に先延ばしされる可能性がある。 量子物理学の発展は、超強力な量子コンピューターからハッキング不能な通信ネットワークまで、あら

    米「国家量子法」成立遅れる可能性、主導権争いへの影響懸念
  • 量子機械学習の一歩踏み出す、伊チームがパーセプトロン実装に成功

    イタリアのパヴィア大学の研究チームは、IBMの5キュービットの量子プロセッサー上にパーセプトロンを実装し、単純なパターンの初歩的な分類ができることを確認した。その後、IBMは16キュービットの量子プロセッサーをWeb上で利用できるようにしており、量子パーセプトロンの性能が飛躍的に向上するのは時間の問題だ。 by Emerging Technology from the arXiv2018.12.12 294 279 18 0 コンピューティング革命超初期の1958年、米海軍海事技術部(ONR:Office of Naval Research)は記者会見を開き、コーネル航空研究所(Cornell Aeronautical Laboratory)の心理学者フランク・ローゼンブラットが考案した装置を発表した。ローゼンブラットはこの装置をパーセプトロンと呼んだ。ニューヨーク・タイムズ紙はパーセプ

    量子機械学習の一歩踏み出す、伊チームがパーセプトロン実装に成功
  • ナンバーワン量子国家を賭けた戦い、米国が避けるべき5つのシナリオ

    量子コンピューターや量子通信などの量子テクノロジーの開発をめぐって、米国、中国、欧州の国際競争が加速している。米国が優位性を保つために侵してはならない過ちとは何か。5つにまとめた。 by Martin Giles2018.06.28 18 9 3 1 人工知能AI)分野のリーダーという立場を中国に奪われた米国は、量子テクノロジー分野では世界トップの地位を守ろうと決意している。 米国議会では、量子テクノロジーに関わる2つの法案が個別に提出されようとしている。2つの法案は、量子科学研究への連邦政府予算をこれまで以上に増やし、この分野での官民協力をいっそう奨励するかもしれない。とりわけ重点が置かれているのは、量子コンピューティングだ。この分野が発展することで、現在最高の性能を持つスーパーコンピューターがそろばん程度に霞んで見えてしまうほどのマシンを将来的に作り出せる可能性がある。 データをビッ

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  • MIT教授が開発した「可動部のない」夢の航空機、初飛行に成功

    MIT教授がプロペラもジェットエンジンも使わない航空機を開発し、飛行実験に成功した。実用化は容易ではないが、より静かで排気の少ない航空機の登場につながるかもしれない。 by Erin Winick2018.11.27 121 20 5 2 いわゆる典型的なジェット・エンジン飛行機には、高速で動くタービンの羽根がいくつも付いている。飛行機に推進力をもたらし、私たちが空へと飛び立つには、タービンやプロペラの回転が必要なのだ。当にそうなのだろうか? 11月21日のネイチャー誌に掲載された論文で、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者は、可動部品を一切必要としない初の飛行機を作り、飛行に成功した報告している。重さ2.45キログラムの実験用飛行機は、学校の体育館の端から端までの60メートルの距離を、プロペラの羽根を回すことなく進んだ。実験用飛行機は、電気を直接、推進力として使ったのだ。 このテ

    MIT教授が開発した「可動部のない」夢の航空機、初飛行に成功
  • ゲイツが推進する遺伝子ドライブ、環境団体が国連で「禁止」訴え

    生物のDNAを組み替えて、繁殖時に特定の遺伝子を拡散させる「遺伝子ドライブ」を巡って、マラリア蚊撲滅を目指すビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団などから資金提供を受けている研究者たちと、環境保護団体との間で対立が高まっている。環境保護団体は国連の場でフィールドテストを世界的に禁止するように求めていく考えだ。 by Antonio Regalado2018.11.19 10 31 4 0 マラリアの根絶を願う億万長者のビル・ゲイツは、マラリアを媒介する蚊を絶滅できる可能性がある遺伝子ドライブ技術に「精力的に」取り組んでいる。 ゲイツは遺伝子ドライブを「飛躍的な進歩」と呼んでいるが、遺伝子ドライブはリスクが大き過ぎて絶対に使用すべきではないと訴える環境団体もある。 いま、両者の対決は山場を迎えている。 11月13日に出回った書簡において、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団などから資金提供を受けて

    ゲイツが推進する遺伝子ドライブ、環境団体が国連で「禁止」訴え
  • 米国初の量子鍵配送ネットワーク構築プロジェクトが始動

    量子技術分野で量子コンピューターと並んで注目されているのが、量子通信ネットワークだ。先行する欧州や中国に続き、米国でも量子鍵配送ネットワークを構築し、セキュアなデータ通信の実現を目指す動きが始まった。 by Martin Giles2018.10.29 203 50 2 0 数年前、米国国家情報局(NSA)に契約社員として勤務していたエドワード・スノーデンによる機密文書の漏洩で、情報機関がどのようにスパイ活動を行なっているかが明らかになった。われわれが驚かされたことの1つは、スパイたちが光ファイバー・ケーブルを流れる膨大な量の情報を監視していたという事実だった。 スノーデンが暴露した事実によって、通信ケーブルからのハッキングを不可能にするために、量子科学というまだほとんど解明が進んでいない領域への研究を加速させようとする気運が高まっている。 スタートアップ企業のクアンタム・エクスチェンジ(

    米国初の量子鍵配送ネットワーク構築プロジェクトが始動
  • 「多遺伝子リスクスコア」×スマホで変わる予防医学の未来

    これまでの遺伝子検査では単一遺伝子変異に伴う希少疾患の検知しかできなかったが、最近になり、多数の遺伝子変異の組み合わせを調べてより一般的な疾患のリスクを評価する検査が可能になってきた。「多遺伝子リスクスコア」は、病気にかかるリスクを予測し、健康の改善に役立つ可能性がある。 by Ali Torkamani and Eric Topol2018.10.30 70 15 3 2 2018年初頭、消費者直販型の遺伝子検査でDNAの分析を受けた人の数は推定1200万人を超えた。数カ月後には、その人数は1700万人に増加した。その間にも遺伝学者とデータ科学者は、遺伝子データから有益な情報を得る手法を改良して、心臓発作のリスクが平均よりも3倍高い人を予測したり、乳がんの家族歴もBRCA遺伝子変異も持たないにもかかわらず乳がんになるリスクが高い女性を特定したりできるようになった。いくつかの技術的進歩によ

    「多遺伝子リスクスコア」×スマホで変わる予防医学の未来