最近松任谷由実のベストアルバムを友達に借りて聞いてみた。 コードの構築の緻密さと丁寧さに驚く。 海へ、という曲のさびのコード。 KeyはB(Hdur)で、コード進行が|E△7|B/E♭|D♭m7 G♭7|B| という、当たり前のコード進行。 が、よく内声の動きを観察してみると、一小節目がこんな動き |G♭/E D♭m/E Caug/E D♭m/E | 2小節目もこれにシーケンスする動き。 3小節目にも一拍ずつ内声のG G♯ A B♭という動きを作ることにより、微妙なコードの浮遊感を作っている。 まず、現代のお粗末なポップスではあり得ないコードの動き。 ポップスがアートかどうかと言われれば疑問だが、クラフトではあると思う。 そういう意味で、とても丁寧に作られた作品だと思う。 昔のものは何故かいいものが多い。 何故かと考えてみる。 クラフト物とは商品であり、売り手にとってそれは商売道具である。