ケーブル完成はまだまだ。でも昇降機は作れる! 宇宙エレベーターとは、地上と静止軌道(高度約3万5000km)を軽量・高強度素材のケーブルで結び、安定して地上と宇宙とを行き来する輸送機関を指す。21世紀に入り、米ロス・アラモス研究所の研究者ブラッドリー・C・エドワーズ博士が中心となって建造の具体案を示したことで、研究が活気づいている。 この宇宙エレベーターだが、すでに日本の科学技術の展望のひとつとして位置づけられているのをご存じだろうか。NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が発表した「技術戦略マップ2009」では、ナノテクノロジー分野、カーボンナノチューブの応用案として、2050年ごろの実現が目されている。 ロードマップが示す通り、宇宙エレベーター実現のためには、カーボンナノチューブのさらなる高強度化・長繊維化が必要だ。日本をはじめ各国で研究が進んでいるが、必要十分な