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ブックマーク / howardhoax.blog.fc2.com (13)

  • The Red Diptych 『バットマンvsスーパーマン』を見て、ジャンル内での傑作と凡作のあり方について考えた

    映画『バットマンvsスーパーマン』を、2D・字幕の上映で見てきた。 ……う~ん……う~~ん……う~~~~ん……とりあえず、見終えた直後の感想を一言で言うならば、「ジェフ・ジョンズの権力が足りなかった……」ってことですかね……。 映画が始まってすぐの冒頭部分で語られるのは、この映画に登場するヴァージョンのバットマンのオリジンです。クライムアレイで強盗に射殺されるウェイン夫が描かれる中で、そこに不可欠の要素として存在しているのが「怪傑ゾロ」と「飛び散る真珠」であったという時点で、劇場の中で涙腺がゆるみ始め、「……お、おれはこの映画を絶対に否定しないぞ!」という断固たる決意が芽生えたのではありましたが……正直なところ、個人的に盛り上がったピークは、その最初の部分だけだったのでありました……。 それから、映画を見た後に監督のザック・スナイダーの発言を見てみたら、冒頭近くでロイス・レーンがアフリカ

    The Red Diptych 『バットマンvsスーパーマン』を見て、ジャンル内での傑作と凡作のあり方について考えた
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    pub99 2016/04/02
  • The Red Diptych 英雄と高血圧――クリント・イーストウッド『アメリカン・スナイパー』

    クリント・イーストウッドの新作である『アメリカン・スナイパー』を見てきた。……今さら言うまでもないのかもしれないけれど、この映画、9/11のテロへの報復の一環として始まったイラク戦争に従軍した米軍の狙撃手の生涯を描いたということで、様々な方面で物議を醸している。そのためか、私が見に行った際も、かなりの数の観客がつめかけていた。  ……しかしねえ、この映画……正直なところ、特定の政治的主張が強く打ち出されているなんてことはないよねえ。今でもイーストウッドは年に一回程度のペースでコンスタントに職人仕事をし続けているので、そんなイーストウッドが堅実なルーティンワークの枠組みの内部で戦争映画を撮ったらこういう風になるよなあ、と。……で、私としては、今のイーストウッドの仕事としてはそこまで成功している部類にも入らんのではないか、と思った。  『アメリカン・スナイパー』におけるイーストウッドは、イラク

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    pub99 2015/03/07
    “英雄と高血圧――クリント・イーストウッド『アメリカン・スナイパー』”
  • The Red Diptych 読むことの地獄――フラン・オブライエン『第三の警官』

    アイルランドの小説家であるフラン・オブライエンの手になる作品は、極めて奇妙なものである。とりわけ、彼の長篇第二作でありしばしば最高傑作とも評される『第三の警官』は……なんというか、常軌を逸している。 例えば、主人公でもある名前のない話者が警察を訪れた際、そこで初対面の警官と交わす会話は、以下のようなものだ。 「こちらに伺ったのはぼくのアメリカ製金時計について正式の盗難届を出すためなのです」 彼は激しい驚愕と疑惑の念を満身に漲らせてぼくを見すえました。眉は殆んど髪の生え際まで引き上げられています。 「こいつは驚くべき申し立てだ」やっとのことで彼は言いました。 「なぜでしょうか?」 「けっこう自転車が盗めるというのに時計なんぞに目をつける奴がいるものだろうか?」 冷静ニシテ仮借ナキ彼ノ論理ニ耳傾ケヨ。 「さあぼくにはとんと分かりかねますが」 「時計に乗って外出し、泥炭袋を時計に載せてわが家に運

    The Red Diptych 読むことの地獄――フラン・オブライエン『第三の警官』
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    pub99 2015/01/24
    “読むことの地獄――フラン・オブライエン『第三の警官』”
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    pub99 2014/12/15
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    pub99 2014/11/01
    “映画業界は、プロレスラーの身体をうまく使いこなすことなどということがほとんどなかった”
  • http://howardhoax.blog.fc2.com/blog-entry-144.html

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  • http://howardhoax.blog.fc2.com/blog-entry-143.html

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  • http://howardhoax.blog.fc2.com/blog-entry-140.html

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    pub99 2014/09/20
  • The Red Diptych 短篇小説家としてのフランツ・カフカ

    カフカが自作の小説を親しい知人に朗読する際に、爆笑していたことがある……という逸話を知って、ずいぶん驚いたことがある。  むろん小説などというものはどう読んでもいいのだが、ことカフカに関しては、読解に関して強いイメージが定着してしまっていることも事実である。とりわけ『審判』や『城』などのような謎めいた長篇が文学史上で多大な重要性を認められることによって、その作品世界は、「不条理」とか「実存」などといった言葉で形容される、いかにも深刻で重々しい佇まいを持ってしまっている。  しかし、である。カフカの長篇小説の全ては死後に発表された遺稿であり、なおかつ、その多くは未完である。さらに、死の間際のカフカ自身は、自分の遺稿を焼き払うように依頼しているのだ。このときのカフカの言葉がどれほど気のものであったのかについても議論が積み上げられているわけではあるが……ただ、少なくとも、当に遺稿が焼き払われ

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    pub99 2014/03/09
  • The Red Diptych 無用の長物としての文芸作品――飛浩隆『グラン・ヴァカンス』

    SF小説を読んでいると、技術的に酷い水準のものが平然と流通していることに出くわすことが多く、呆れかえることが結構ある。  特に、語りの構造に対する自覚のなさという意味では、絶望的である。例えば、25世紀なり30世紀なりを語りの現在時とする語り手が、なぜか、20世紀や21世紀の英語や日語の使用者にとってわかりやすく自然な表現を書き連ねる。また、25世紀なり30世紀なりに生きている人物にとっては常識的すぎてわざわざ説明の必要もないはずの説明が、(ちょうど20世紀なり21世紀なりの人間にとっては飲み込みやすいようなほど親切に)饒舌に語られる。  もちろん、ここには、SFそのものの持つジャンル的な特性が原因としてある。いかなる話者がいかなる聞き手に向けて小説の語りを遂行しているのかを意識しすぎれば、そもそも成立しなくなってしまうような作品も多い。逆にミステリであれば、話者がどのようなスタンスで誰

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    pub99 2014/02/15
  • The Red Diptych 奇書探訪(1)――ジャン・ジュネ『花のノートルダム』

    ヴァイドマンが頭を白くうやうやしい細布で包帯され、そしてさらに花のノートルダムの名前が知られた日と同じような九月のある日に、ライ麦畑のなかに墜落して負傷した飛行士といったいでたちであなたたちの前に姿を現したのは五時の夕刊だった。輪転機によって増殖された彼の美しい顔は、パリとフランスに、人里離れた村々のもっとも奥深いところ、城と茅屋のなかにまで襲いかかり、悲嘆に暮れるブルジョワたちに、彼らの日常生活のそばをうっとりするような殺人者たちがかすめていることを、彼らはブルジョワたちの眠りにまでこっそり持ち上げられ、何らかの専用階段を通っていまにもその眠りを通り抜けようとしているのだが、彼らに対するひそかな同意を示すように、階段は軋む音ひとつ立てなかったことを明かしているのだ。彼の写真の下では、その犯罪が曙光に輝いていた。第一の殺人、第二の殺人、第三の殺人、それは第六まであるのだが、それらの殺人は彼

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    pub99 2013/09/14
  • The Red Diptych アラン・ムーアとメタフィクション

    2013-09 « 123456789101112131415161718192021222324252627282930 » さて、というわけで、前回の続きである。 アラン・ムーアの『ネオノミコン』は、ムーアがアメリカン・コミックスの世界で培ってきたメタフィクションの技法を他ジャンルに適用することで成立した傑作だ、ということを前回のエントリで書いたのだった。 だが実は、『ネオノミコン』を読んだあとで、現在のアメリカン・コミックスの世界の、トップどころのライターたちの作品と比較し、考え込んでしまったことがあるのだ。 少し前のことになるが、ブライアン・マイケル・ベンディスの『ニューアヴェンジャーズ:セントリー』と、エド・ブルーベイカーの『Xメン:デッドリー・ジェネシス』が邦訳された。たまたま私はどちらも原書の段階で読んでいなかったので、読んでみた。もちろん、ベンディスもブルーベイカーも現在の

  • The Red Diptych アラン・ムーア『ネオノミコン』の恐ろしさ

    2013-09 « 123456789101112131415161718192021222324252627282930 » アラン・ムーアの新作『ネオノミコン』をようやく読んだ。だいぶ前に入手していたのに読まずにいたのには一応理由があって、ぱらぱらと中をめくって見たところ、あまりにも容赦のないエログロ全開だったため。また、このコミックが前提としているラヴクラフトについて、私がほんの数冊しか読んだことがなかったということもある。 そして、ようやく読んでみたわけだが……なんなんだこれは。やばい。これはやばい。こんなものがごく当たり前にアマゾンとかで手に入ってよいのだろうか。読んだ者が全員数日後に発狂するとか、恐ろしい災厄をもたらすような禍々しい書物なのではあるまいか。 TPBの裏に寄せられていた推薦のコメントに、「こんな恐ろしいものを愛することは道徳的に受け入れられることではないと思うのだ

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