今学期から「ベンチャービジネス」という授業をもつことになったので、「ベンチャーの何ちゃら」という本をいろいろ読んだが、日本人の書いたもので参考になるのは1冊もない。そもそもベンチャービジネスというのは和製英語で、正しくはstartup、起業家という意味ならentrepreneurである。この言葉だけでなく、起業家について一般にひろく信じられている迷信は多い。本書は、それを具体的なデータで反証する。たとえばアメリカは他の国より起業家が多く、その数は増えている 起業家の多くはハイテク産業で企業を立ち上げ、その収益率は高い 起業家は若く、新しい技術をもち、夢を実現するために独立する 資金はベンチャー・キャピタルから潤沢に供給される ベンチャーが経済成長の最大の原動力だから、政府が起業を支援すれば成長率が高まる以上は、すべて誤りである。米政府などのデータによれば、OECD諸国で自営業の比率