熊本地震では、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの当事者たちも被災し、避難所での共同生活の困難さに直面している。「周囲から奇異の目を向けられる」「男女別のトイレを使えない」といった悩みだ。トランスジェンダーなどの性的少数者(LGBT)の支援や啓発活動に取り組む団体「ともに拓(ひら)くLGBTIQの会くまもと」(熊本市)の今坂洋志代表(63)は「非常時こそ、普段は見えにくい性的少数者への偏見や配慮不足の問題が顕著に出ている」と指摘している。 体は女性として生まれ、性自認が男性というトランスジェンダーの長田悠さん(25)=熊本市=は、16日の本震直後に近所の小学校に避難した。真夜中の突然の出来事だったため、普段胸を締めるために着用する専用のシャツを持ち出せなかった。このため「変に思われるのでは」と男子トイレの使用を不便に感じ、3日後には避難所生活を断念し、宇城市の知人宅に身を寄せた。
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