信州大(本部・松本市)が2010年度から取り組んでいる男女共同参画事業が、着実に成果を挙げている。11~13年度の文部科学省補助事業では、研究者の女性比率など四つの目標をすべて達成した。本年度は、中核となる女性研究者支援室の名称を男女共同参画推進室に変更。対象を男性や研究者以外にも広げ、介護や子育てなどがあっても仕事が継続できるように支援策を充実させていく。 信大は補助事業の開始に当たり、「研究者(教授から助手まで)の女性比率を11・9%から13・7%に上げる」「定年退職を補う新規採用の30%(24人)を女性とする」「うち半数は自然科学系学部で採用し、女性研究者ゼロの学部をなくす」「結婚や出産、育児などでの退職をなくす」との目標を掲げ、女性が働きやすい環境の整備、女性の積極採用などに取り組んできた。 松本キャンパスの大学本部と長野市の教育学部キャンパスに支援室を開設。シンポジウムや懇談
妊婦の血液で胎児の異常を調べる新出生前診断(NIPT)を行っている病院グループ「NIPTコンソーシアム(連合)」が27日、昨年4月に始めた同診断の実施状況を、大阪府東大阪市で開催中の日本遺伝カウンセリング学会で発表した。今年3月末までの1年間で7775人が検査を受け、集計がまとまった7740人分のデータを公表。染色体異常の可能性がある「陽性」と判定された後、羊水検査で異常が確定したのは113人。うち110人が中絶を選んだ。また、3人が確定診断前に中絶し、うち2人は精神面の不安を理由としていた。 発表によると、今年3月末までの1年間に、コンソーシアムに加わる全国の37施設が実施。検査の理由は出産時に35歳以上が目安となる高齢妊娠が95・4%、染色体異常の出産歴が2・9%、超音波検査や母体血清マーカーで異常の可能性が高いと指摘された人が1・6%などだった。 集計がまとまった7740人のうち
結婚したいのになかなか相手が見つからない。そんな人たちに行政が相談の場を設けたり、出会いの機会を提供したりする。困っている人を支援する施策として理解はできる。 ただ、越えてはいけない一線がある。行政が正しいと考える方向に導こうとすることだ。個人の選択や価値観の多様性が損なわれ、差別や圧力になりかねない。未婚の人たちに向けて「結婚しよう」というスローガンを掲げたり、「運動」にしたりすることは、この一線を越える危うさがある。 長野県など11県の知事でつくる「子育て同盟」が先月末、松本市でサミットを開いた。同盟を呼び掛けた鳥取県の平井伸治知事は「30年前より、決定的に結婚が遅れてしまっているし、結婚しなくなっている。だから、結婚しようということを、われわれが運動としてつくっていかなければならない」と訴えた。 最後は「ながの子育て声明」をアピール。阿部守一知事が「人口減少の継続及び加速は、日
心と体の性が一致しない人たちでつくる「日本性同一性障害と共に生きる人々の会」(東京、山本蘭代表)は2日、性同一性障害(GID)について考えるフォーラムを松本市双葉の市総合社会福祉センターで開いた。性別が一致しない苦痛や苦悩について社会的な理解を広げようと企画。約270人が、GIDの苦しみや学校での対応の重要性について話を聞いた。 GID学会理事長で岡山大大学院の中塚幹也教授は、GIDの人を対象にした調査結果を報告した。自殺を考えたことがあるとした人にその時期を尋ねたところ、中学校時代が37%と最多で、初経やひげなどの第二次性徴を理由に挙げる回答が多かったと説明。性別への違和感を周囲に告白していない人が9割に上るとし、「学校で性同一性障害について教えるなど告白しやすい環境づくりをして早期に医療機関につなげることが重要だ」と指摘した。 山本代表はパスポートや健康保険証などの性別表記に多くの
夫婦別姓を認めない民法の規定は憲法違反として、富山市や京都府などの男女5人が国を訴えた裁判の判決が東京地裁であった。 裁判長は「別姓を名乗る権利は憲法上、保障されていない」とし、国家賠償の請求を棄却した。別姓を望む人たちの声は司法に届かなかった。 女性の社会進出や婚姻届を出さない「事実婚」の増加を背景に、政府の法制審議会が「選択的夫婦別姓制度」を盛った民法改正を答申してから17年になる。実現しないまま、結婚後も旧姓を使い続ける女性や事実婚の夫婦はますます増え、若い世代の結婚観、家族観は多様化している。 裁判長は「結婚後の改姓で人間関係やキャリアに断絶が生じ、不利益が生じる恐れがあるため、夫婦別姓を求める声は多い」と指摘した。与野党は政治の責任として国会で議論を深め、早急に民法の改正に踏み切るべきだ。 選択的夫婦別姓は、民法が夫婦同姓を規定しているのに対し、夫婦が望めば、それぞれの姓
あらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%に―。政府が掲げている目標である。 残り10年を切った。まだ低い水準にとどまっている。取り組みの加速が必要だ。 11年版の男女共同参画白書はこの目標に向けて、積極的改善措置(ポジティブ・アクション)の推進を特集している。それぞれの場で工夫を凝らしたい。 男女共同参画社会基本法は1999年に施行後、10年以上が過ぎた。政府、地方公共団体、政党、企業などが取り組んできた。一定の成果が出ている。 グローバル企業に成長するには女性の活躍が不可欠として、新卒時の採用比率を30%に、管理職を3倍に増やす目標を設定した企業がある。理・工・農学の分野で常勤女性教員を増やすため採用枠を設ける大学も出てきた。 だが、全体的にみて女性の進出はまだ十分とはいえない。 国会議員に占める女性の割合は11%にとどまる。国際比
民法には、結婚の際夫か妻のどちらかが改姓しなくてはならないという夫婦同姓の規定がある。これが憲法の定めた個人の尊重や両性の平等に反するとして、夫婦別姓を望む人たちが国を相手に訴訟を起こす。この問題をめぐり世論を呼び起こすねらいもあるという。 「選択的夫婦別姓」の導入に向け、政府の法制審議会が要綱をまとめたのは15年も前のこと。夫婦が希望すれば、結婚後もそれぞれの姓を名乗れるという制度である。当時の与党、自民党内に反対論が噴出し、民法の改正は見送られてきた。 民主党は違う、と期待をかけた有権者もいたはずだ。選択的夫婦別姓は、民主党の看板政策の一つである。野党時代から法改正を求め続け、2009年総選挙の政策集にも盛り込まれた。 だが民主党政権になった後も、足踏みが続いている。与党内からも反対論が出て、法案の国会提出のめどは立っていない。 多様さを増す現代の家族の姿を踏まえて、民法を望ま
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く