あまりにもやまだ紫に熱くなりすぎたおかげで、吉田アミの文章が1万字を軽く越えてしまった!というわけで、前・中・後編に分けてやまだ紫を読み解く! やまだ紫『ゆらりうす色』(講談社/1984年)より ★【前編】はコチラから http://www.webdice.jp/dice/detail/1568/ 『ゆらりうす色』は「私マンガ」の雛形なのか? 1983年に「コミックモーニング」(講談社)にて連載された『ゆらりうす色』は、妻子ある男と不倫中の27歳独身女性が主人公の連作。 「ゆらゆらと 炎が燃える どうでもいい---と 青く燃えている」 主人公、笑美のモノローグはまるでポエムのようだ。劇的なドラマなど起こらぬ日常で、「仕事に行って帰ってきてベッドに寝転がる」そんな描写の中にぽっかりと、浮かぶ美しい文字列と、交わされる現実的なセリフとの乖離が、彼女の「気分」をよく表している。 本来モノローグと