山下達郎サンデーソングブック2023年4月23日放送分「変わった声のシンガー」で棚からひとつかみ Part.2』から書き起こしたものです。 考えてみますと、一番最初に私が小学校を出て中学入るくらいでですね、一番印象的な声だったのが、ボブ・ディランであります。 みんな私の世代は同じような感じだと思いますが。 ミネソタのボビー・ヴィーになりたかった青年がですね、ニューヨークへ出てきまして、折しも公民権運動の真っ只中であります。 そんな中からフォークミュージックでデビューいたしまして一世を風靡しました。 いわゆる、そうしたアメリカでのメジャーなフィールドじゃなくて、もうちょっとサブ・カルチャーっていうか、フォーク・ムーヴメントとか。 それから、いわゆるアフリカン・アメリカンのブルース、そうしたルーツミュージックに繋がる人たちの歌唱法っていうのは、我々が知っている、そうした洋楽のものとは違うテイス