・『傾国の仕立て屋ローズ・ベルタン』1〜5巻。 → 王妃マリー・アントワネット付のモード商となり,ルイ16世治世下のフランスのファッションの中心にいた人物マリー・ジャンヌ・ベルタンの伝記的な作品。 → 主人公のベルタンは「仕事しよ」が口癖の有能なワーカホリックで,内に男性社会への反発・ファッションへの激しい情熱・強い功名心を持った女性として描かれている。この点では典型的な,ともすれば陳腐な領域に入るかもしれない,前近代の女性の立身出世物と言えよう。ただし,かなり出世欲が強い人物として描かれているのはやや珍しいか。 → 主人公はあくまでベルタンであるが,同時期に活躍した髪結師レオナール・オーティエとは名コンビを組んでいて,ベルタンの出世に一役買う重要人物としてデュ・バリー夫人や,もう一人の主人公たるマリー・アントワネットも登場して,徐々に歴史の歯車が動いていく。ちょっと面白いのは作者すら予想