その日は、あまりに暑かった。 夏の太陽が照りつける中、私は20歳代からの付き合いの相棒と釣りをしに、琵琶湖の和邇川河口へ向かった。 何年ぶりだろう、この湖に来るのは。 若かりし頃、ブラックバスを追い求めてこの地を訪れたのが最後だった。 時が経つにつれ、互いの生活は変わり、共に釣りに行く機会も減った。 しかし、その日、私たちは再びここに集まったのだ。 湖畔に立つと、あの頃と変わらぬ風景が広がっていた。 静かに揺れる水面、遠くに見える山並み。 何も変わっていないようでいて、確かに何かが変わっている。 そう、私たち自身だ。 年月は私たちに重みを与えたが、それでも、釣り竿を手にすると、あの頃の熱が蘇ってくる。 「懐かしいなあ、この場所」と相棒がつぶやく。 私も同感だった。 だが、その日は、魚たちが私たちに微笑むことはなかった。 何度もルアーを投げ入れるが、釣れたのはただの藻やゴミばかり。 汗が滲み