外国人の技能実習生を受け入れる企業が、法令に違反して計画と異なる業務に従事させるケースが相次いでいる。愛知県の廃棄物処理会社では、溶接作業で契約したインドネシア人六人にごみの分別をさせていた。「技術移転による国際貢献」を掲げる制度の実態を探った。 (森若奈)
徳島県上勝町で行われているごみの45種分別。集積所では、どのごみをどこに入れればいいのか、分かりやすく説明されている=徳島県上勝町で2020年9月17日、藤井達也撮影 東京に駐在する外国メディア特派員の目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第74回は聯合早報(シンガポール)の符祝慧・東京特派員が、地球環境にやさしい社会はどうあるべきかを考えた。符氏は、日本のごみ分別の細かさに感心する一方で、外国人にとっては悩みの種だと吐露する。 統一されていない分別方法 日本では他の国に比べ、路上などでごみを目にすることは少なく、街は清潔だ。ごみの分別も、とても細かい。大学進学で来日し、学生寮に住んでいた頃、資源回収の日の朝が来る度に、寮の管理人が学生の出したごみを慎重に分別していたのを覚えている
分別ルールが守られていない家庭ごみの袋を調べ、違反者を特定する「開封調査」を実施する自治体が増えている。違反者を直接指導しごみ減量につなげるのが目的で、政令指定都市では横浜、千葉、札幌の三市に加え、新たに京都市が来年度にも導入する方針を打ち出した。実施自治体は「減量の効果が出ている」としているが、プライバシーの専門家からは懸念の声も出ている。 人口三百七十万人の横浜市。八月二十二日午前、市中心部から車で約二十分の磯子区で、青色のユニホーム姿の市職員二人が軽トラックに乗り、住宅街の収集場所を回った。「収集できません」と書かれたシールが貼られ、市が回収しなかったごみ袋を、次々と荷台に載せていく。
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