著: 田丸まひる 徳島と東京が意外と近いことを、みんなは知らない友達に会うために久しぶりに東京に行ってきた。自分なりのおしゃれを楽しんでいるのを見せ合ったり、言葉に対するときめきをあれこれと話し合ったりするのには心が躍った。それぞれの暮らす場所で、みんな色々なことに立ち向かったり傷ついたりしてきている。 東京と徳島の間は、飛行機を利用すれば一時間と少し。わたしの住んでいる鳴門は空港からも近いし、仕事なら日帰りもできる時間距離だ。陸路なら、高速バスで神戸や大阪まで出て、新幹線に乗り換えると便利だし、夜行バスもある。意外と簡単に行き来できるんよ、と思う。 行けばぽんとたどりつくのに「遠くからようこそ」を今日もたっぷり浴びる けれど、徳島には電車が走っていない。鳴門にも、どこにも。これから電車が走るであろう見込みも今のところはない。わたしも含めて地元の人たちが「汽車」と呼ぶディーゼル機関車が、架