「私が皇帝になって世界を平和にする!」西洋中世唯一の女性歴史家、ビザンツ皇女アンナ・コムネナの少女時代を鮮やかに描く!
著者:井上 浩一出版社:白水社装丁:単行本(330ページ)発売日:2020-07-16 ISBN-10:4560097763 ISBN-13:978-4560097762 帝位を諦めきれない皇女の執念11世紀末から12世紀前半といえば、わが国では源氏・平氏の武士団が勢力をもたげ、西ヨーロッパでは十字軍の活動が目立ってきたころだ。東ヨーロッパのビザンツ帝国では、大豪族コムネノス家のアレクシオス(一世)が王朝を開いたが、皇帝の母、妻、娘・息子たちの愛憎の人間関係はなにやら物々しかった。本書は、なかでも長女アンナ・コムネナを焦点とする物語と解説である。アンナは古代・中世を通じて唯一の女性歴史家と言われており、父帝の伝記『アレクシアス』を残したことで名高い。 アンナは生まれてまもなく婚約した。相手は元皇帝の血をひく少年コンスタンティノス。弟さえいなければ、未来の夫は皇帝になるはずだった。だが、弟ヨ
記事:白水社 歴史学はなんのためにあるのか? ビザンツ歴史文学の最高傑作を読み解く、井上浩一著『歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品』(白水社刊)。 書籍情報はこちら アンナ・コムネナの著書『アレクシアス』最古のF写本(12世紀、フィレンツェ、ラウレンツィアーナ図書館蔵)。 アンナの自慢 人は誰でも自分に誇りがある、自慢したいことがある。アンナの誇り、自慢は何だったのだろうか。『アレクシアス』の序文には次のような一節がある。 私、アレクシオスとエイレーネー両陛下の娘として緋の産室に生まれ育ったアンナは、読み書きとは無縁でないどころか、正しいギリシア語を修めたのち、修辞学をしっかり学び、アリストテレスの作品やプラトンの対話篇を熟読し、四つの学問(天文学・幾何学・算術・音楽)で知性を磨いた。(序文一章2節) アンナの誇りは皇帝の娘であること、そして高度な学問を修めたことであった。この引用
このブログではここまでアンナ・コムネナが晩年を過ごした屋敷のあったケカリトメネ修道院の規約を読んできているわけですが、このアンナを主人公とする佐藤二葉さんの漫画、『アンナ・コムネナ』の第1巻が星海社から刊行されることとなり、その発売が明日12月10日に迫っています。それに先立つ11月30日からは、ツイ4でも同作の連載が始まっています。 新しく本が出ます! 『アンナ・コムネナ』1巻、12月10日発売です。 11~12世紀、中世の東地中海。知性と野心と想像力をを武器に歴史に名を刻んだビザンツ皇女アンナ・コムネナを主人公に描くフルカラー漫画です。 版元ドットコム https://t.co/0tZQ1mFGwC アマゾン https://t.co/RHUds414NA pic.twitter.com/USHLqIkykY — ふたば (@baccheuo) 2021年11月16日 実はこの第1巻に
紹介 「私が皇帝になって世界を平和にする!」 西洋中世唯一の女性歴史家、ビザンツ皇女アンナ・コムネナの数奇な運命を鮮やかに描くフルカラー漫画、第3巻! 帝位継承者としての存在感を増していく弟ヨハネス。 絶対に諦めないアンナの行動はますます挑戦的にーー 新たな出会い、「物語の力」への気付きと希求、人生の大転機などに直面します。 ーーーーーー 第46回 講談社漫画賞少女部門受賞『星降る王国のニナ』のリカチさん推薦! 歴史物として読んでも、主人公サクセスストーリーとして読んでも、 ラブコメとして読んでも、さらに言うならギャグとして読んでも楽しめる! そんな私は、主人公アンナと弟ヨハネスの暴言バトル+天然アクスーク のやりとりが、かなり好きです☆ ーーーーーー 佐藤 二葉 (サトウ フタバ) (著/文) 俳優・演出家・古代ギリシア音楽家・作家。北海道出身。国際基督教大学卒業。首都大学東京大学院博
大分前に読んだまま紹介してなかった作品ですが最近「理解ある彼くん」の話とかしてるのでそのついでに。 アンナ・コムネナの魅力についてはこちらの方でいろんな人が語ってくれてるので参照してください。 togetter.com 私はビザンツの歴史についてあんまり詳しくないので最初ピンとこなかったんですが、 第一回十字軍のきっかけを招いたアレクシオス帝の娘がアンナ・コムネナです。 とてつもなく血なまぐさい時代の話ですが、ものすごく意志の強い王女様がいたんですね。 妻を支え、妻からも熱愛された夫、その妻が西欧中世唯一の女性歴史家だったためそのラブラブぶりを後世にたっぷり語り継がれてしまう(ニヤニヤ) 父を溺愛し、自尊心つよつよなアンナが仕方なく身分が下の男と結婚することになり、最初はさげすんでいたのに徐々に夫に心惹かれていくという少女漫画的展開すごくいいよね(・∀・)ニヤニヤ しかも史実。 夫も妻も教
このシリーズでは中国史上の人物と欧米の人物との共通点をご紹介していきます。 班昭(はんしょう)とアンナ・コムネナは、あまり知られていない人物だろう。二人の女性の生涯は、歴史的にも千年以上の隔たりがあり、生息した土地も6500キロ離れてはいるが、多くの共通点がある。 中国の班昭から見てみよう。 過去と現在 班昭(49年~117年)は中国初の女性歴史家として現在知られている。生涯を学問に捧げ、伝統的な女性の日常生活の心得を説いた著書『女誡』(じょかい)で有名だ。 漢の時代に貴族の家に生まれた班昭は、非常に高い教育を受けた。宮廷学者の教師、宮廷図書館の司書、皇后の相談役を務め、最終的には公妃らの師となる。 また、班昭は西漢の王朝史を記録した重要な書物である『漢書』を完成させた。父親の班彪(はんひょう)が、亡くなるまでこの長大なプロジェクトに取り組んでいた。班昭の兄・班固(はんこ)がこのプロジェク
本書は、ビザンツ帝国を主役に描いた、恐らく日本で初めての商業漫画です。これがひとつめの歴史的意義です。 著者もあとがきで記載しているように、本書は以下のような近年の日本における実在の12世紀の女性歴史家アンナ・コムネナ関連書籍出版の流れに乗って登場した作品です。 2019年 アンナ・コムネナ著『アレクシアス』日本語版出版 2020年『歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品』 2021年『アンナ・コムネナ<1>』 これとは別の流れもあり、ビザンツ帝国関連の日本語書籍は、1990年以降年に1冊は出版されてきていてそこそこ知名度はあがり始めていたのですが、発行部数が少なくすぐに品切れ→中古価格高騰を招き、アクセスのしにくい世界でした。ところが、2019年12月から2020年8月の間に合計7冊のビザンツ本が出版され急にアクセスしやすくなりました。 4-6世紀 田中創著『ローマ史再考』 7世紀
(白水社・3520円) 帝位を諦めきれない皇女の執念 11世紀末から12世紀前半といえば、わが国では源氏・平氏の武士団が勢力をもたげ、西ヨーロッパでは十字軍の活動が目立ってきたころだ。東ヨーロッパのビザンツ帝国では、大豪族コムネノス家のアレクシオス(一世)が王朝を開いたが、皇帝の母、妻、娘・息子たちの愛憎の人間関係はなにやら物々しかった。本書は、なかでも長女アンナ・コムネナを焦点とする物語と解説である。アンナは古代・中世を通じて唯一の女性歴史家と言われており、父帝の伝記『アレクシアス』を残したことで名高い。 アンナは生まれてまもなく婚約した。相手は元皇帝の血をひく少年コンスタンティノス。弟さえいなければ、未来の夫は皇帝になるはずだった。だが、弟ヨハネスが生まれ、ある陰謀事件のどさくさで若き婚約者は不可解な死をとげる。アンナは、この眉目(びもく)秀麗な若者を「思い出すと涙が溢(あふ)れて仕方
新年以来更新が滞っており恐縮です。調べ物は進めていたりするのですが、去年に比べて諸々忙しくなってしまったこともあり、なかなか記事を出すに至っていないのが現状です(下書きにある翻訳とは別に、単発の記事を近いうちに出したいと思っています)。 さて、このたび、佐藤二葉さんの『アンナ・コムネナ』の第2巻が発売を迎えました。第1巻に引き続き、私も校正のお手伝いのようなことをさせていただいていたのですが、第2巻では前巻以上に重厚なストーリーが展開され、個人的には読んでいて倍ぐらいのボリュームに感じました(1巻はそもそもビザンツの人々や世界が漫画になって動いているということがあまりに嬉しく、勢いで一気に読んでしまったということもあると思います)。 アンナ・コムネナ 2 (星海社COMICS) 作者:佐藤 二葉 星海社 Amazon 多くの人にとってネタバレにならないと思う範囲で個人的に推したい点を一つ挙
「私が皇帝になって世界を平和にする!」西洋中世唯一の女性歴史家、ビザンツ皇女アンナ・コムネナの少女時代を鮮やかに描く! 『アンナ・コムネナ』コミックス5巻、 ...
PC買い替えを検討中です。今使っているものは購入して8年半以上経ちました…(((((((( ;゚Д゚)))))))) さて、佐藤二葉先生のビザンツ帝国漫画(!)アンナ・コムネナ』1巻が発売されたので、その感想です。 やたら「緋色の生まれ」をアピールするヒロイン アンナ・コムネナ(1) (星海社コミックス) 作者:佐藤二葉 講談社 Amazon 【目次】 概要 あらすじ 感想 画面も内容も充実 ヒロインが好きになれない 汝自身を知れ 緋色の生まれ(ポルフュロゲネトス)とは 再び:汝自身を知れ 具体的な対処法?多分ナシ(笑) 自己皇帝感(原文ママ) 作者の佐藤二葉先生について 概要 11世紀。東ローマ帝国(ビザンツ帝国)・コムネノス王朝の初代皇帝アレクシオス1世コムネノスの皇女であり、中世ヨーロッパ唯一の女性歴史家として名を遺したアンナ・コムネナの少女時代を描く歴史漫画です。 あらすじ 物語は
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