新型コロナウイルスに感染した重症患者の命を救える可能性があるとして、イギリスの専門家らが、安くてすでに多く利用されている薬に注目している。 「サイトカインストーム」を抑制 その薬とは、ステロイド系抗炎症剤の「デキサメタゾン」だ。この薬はすでに「関節炎」や「喘息」「皮膚炎」などで、主に「サイトカインストーム」と呼ばれる免疫機能の過剰反応を抑制するものとして使われているという。 そして新型コロナ感染症の重症患者の場合、この「サイトカインストーム」を起こすことによって死亡するケースが多いと考えられてきた。 しかし今回、この薬の世界規模での臨床試験が行われ、人工呼吸器に繋がれた重症患者の死亡リスクを3分の1、酸素吸入を必要とする患者の死亡リスクを5分の1に減らすことができたそうだ。 「画期的な突破口」 オックスフォード大学が行った臨床試験では、「デキサメタゾン」を与えられた2000名の入院患者と、