可愛いから。バズるから。いいねがつくから──そんな理由で親がSNSに投稿した自分の子供時代の様子を、何千、何万もの人たちが見ている。本当なら見られたくない恥ずかしい思い出も、プライベートな情報も、親によって同意なく晒されている。こうした環境で育ってきたSNS世代の子供たちは、どんな思いをしているのだろうか。 私が赤ちゃんだったころの写真や動画は、例によって恥ずかしさ満載だ。オムツ一丁でよちよち歩きをしている写真や、食べ物を口に入れずに顔中に塗りたくっている動画が残っている。でも私の世代の場合、こうした黒歴史的な写真や動画は、両親の屋根裏部屋に置いてある紙のアルバムやビデオテープのなかに眠っている。 成長するなかで私はネットを使うようになり、MySpace(2004年に米国で始動したSNSサービス)にポエムつきの写真や、自作のミュージックビデオを投稿したりした。だがそれらは、2000年代初頭